1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770441
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
石澤 俊幸 山形大学, 医学部・附属病院, 助手 (20260458)
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Keywords | 創傷治癒 / 汗腺組織 |
Research Abstract |
現在の研究は以下のごとく進んでいる。 研究1 手掌や足底の皮膚腫瘍の切除時に得られる正常な部分の皮膚(手掌と足底)を用いて汗腺組織を取り出し,汗腺細胞の培養に成功した。用いた皮膚をディスパーゼ処理することにより,汗腺の採取が行いやすくなり,無血清培地で培養することにより細胞の増殖を早めることができる。しかし培養した細胞が,汗腺組織のどの細胞であるか不明であるため,電顕,各種免疫染色,生化学的に検討しているところである。またその細胞をヌードマウスに植え付けることで,上皮化が起こるかどうかを免疫組織学的に,二次元電気泳動を用いて検討しているところである。さらに各種成長因子(TGF-α,TGF-β,IGF,EGF,HGF,FGF,チガソン,副腎ホルモン)を投与することによる増殖率,ケラチンパターンの変化による分化の方向性を検討する予定である。 研究2 本年行った実験では,研究1で採取した汗腺組織をヌードマウスに植え付けたが,上皮化は観察されなかった。臨床的に上皮化の時に認められるような,白色の点状のものが認められたが,組織学的には脂肪様細胞の増殖を認めるのみで,表皮細胞は認めなかった。これは汗腺組織に付着していた脂肪細胞が増殖したものと考えた。それ故本年度は,研究1で成功した培養汗腺組織をヌードマウスに植え付けることで(脂肪組織の関与がない状態),汗腺組織における上皮化の有無を見てみたいと考えている。
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