1999 Fiscal Year Annual Research Report
PU.1とCBPの相互作用ならびに赤白血病細胞の増殖、分化、アポトーシスへの関与
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11770589
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Research Institution | Sasaki Institute |
Principal Investigator |
米山 ひとみ (山元 ひとみ) 財団法人 佐々木研究所, 細胞遺伝部, 研究員 (30290977)
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Keywords | Etsファミリー転写因子 / PU.1 / Spi-B / Fli-1 / CBP |
Research Abstract |
我々はこれまでにCREB binding protein(CBP)がEtsファミリー転写因子PU.1と相互作用し、転写のコアクチベーターとして機能することをみいだした。CBPは多くの転写因子の補助因子として機能することが知られている。また、Etsファミリーに属する転写因子、Spi-B、Fli-1はPU.1と同様に血液細胞特異的遺伝子の転写制御に重要な役割を果たしている。そこでSpi-B、Fli-1に関してもPU.1と同様にCBPと相互作用するか否かを検討した。GST結合アッセイにより、Spi-BはCBPと結合するが、Fli-1とは結合しないことがわかった。さらにSpi-Bの結合部位はN末側の転写活性化ドメインを含む領域で、CBPとの結合にはPU.1と同様1283-1915a.a.の領域が必要であった。次に転写活性化能をルシフェラーゼアッセイで調べるとSpi-BにおいてもCBPは転写に協調的に働き、量依存性に増強された。またdominant negative CBPやc-MybはPU.1、Spi-Bの転写活性に競合的に働いた。以上のことからPU.1やEts-1だけでなく、Spi-BもCBPのコアクチベーターであることが明らかとなり、Etsファミリー転写因子間でのCBPを介した"正"及び"負"のクロストークが関与する可能性が示唆された。さらに、PU.1とCBPによる赤芽球系細胞の増殖、分化、アポトーシスヘの関与を明確にするため、PU.1高発現細胞株にCBPをstableに導入した。CBPを導入した細胞ではPU.1高発現下で分化を誘導した時におこるアポトーシスが阻害された。今後、PU.1とCBPの相互作用を通じての協同作用もしくは他の転写因子との競合が血液細胞の増殖、分化、アポトーシス等に及ぼす役割を明確にする。
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[Publications] Yamamoto et al.: "Physical and functional interactions between the transcription factor PU.1 and the coactivator CBP"Oncogene. 18. 1495-1501 (1999)
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[Publications] Yamamoto et al.: "Etsファミリー転写因子PU.1の機能-コアクチベーターCBPを介した転写調節"蛋白質 核酸 酵素. 44・9. 1389-1395 (1999)
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[Publications] Oikawa et al.: "The role of Ets family transcription factor PU.1 in hematopoietic cell differentiation,proliferation and apoptosis"Cell Death and Differentiation. 6. 599-608 (1999)