1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770673
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
井上 裕子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80256429)
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Keywords | 微小転移 / MUC1 / Keratin19 |
Research Abstract |
乳癌では再現性のある癌遺伝子や癌抑制遺伝子が未だ特定されていないため組織特異性の高いMUC1mRNAとKeratin19 mRNAを標的にしてRT-PCRを行い,それらの発現量を7700sequence detectorにて解析した.MUC1とKeratin19(K19)は乳癌細胞に多く発現しているが正常の骨髄中には発現の少ない蛋白である.K19は骨髄および血液中の検出はないと報告されていたが,MUC1はリンパ球に発現することもあるとの報告があり,健常者の骨髄11例も検討した.乳癌患者(Stage I〜IV)39例の骨髄を術直後,上前腸骨棘より6ml穿刺吸引した.骨髄の単核球層を分離しRNAを抽出後,Quantitative RT-PCR法にて解析した.患者検体間のRNA量を均一化するために全症例のβーactin mRNA transcripts(βーactin)を定量しβーactin 1 moleculeあたりのMUCI mRNAtranscripts,K19 mRNAtranscriptsを比較検討した. 健常骨髄のMUC1およびK19の平均値+標準偏差はそれぞれ0.0096,0.00037であった.乳癌患者39例の平均値はそれぞれ5.15および25.30であったが,各症例で大きな発現量の差を認めた.臨床病期,腫瘍径,リンパ節転移と平均値との関連を比較すると,MUC1,K19とも病期がすすむごとに高値を示す傾向を認め,K19ではリンパ節転移との関連を有意に(p<0.05)認めた.
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