1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11771073
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大竹 雄一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30233159)
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Keywords | 緑内障 / ミオシリン / MYOC / TIGR / 遺伝子変異 / 線維柱帯 |
Research Abstract |
緑内障手術中に患者から得られた線維柱帯組織を材料とし、ミオシリンの発現を免疫組織学的に検討した。米国アイバンクより供与された正常眼と比較した。まずin situ hybridization法によりミオシリンが正常線維柱帯細胞で発現し分泌されていることが示唆された。ポリクロナール抗体を用いた免疫染色においては、緑内障患者と正常者における線維柱帯組織でのミオシリンの分布・染色性には明らかな差は認めなかった(Current eye research in press)。さらに、免疫電顕を用いて、線維柱帯組織におけるミオシリン発現の微細構造を細胞内外で検索し、線維柱帯網の構築や房水流出抵抗への関与を検討中である。 若年発症の開放隅角緑内障、ステロイド緑内障、家族性の高眼圧症患者(約120家系)から血液サンプルを収集し、ミオシリン遺伝子変異をスクリーニングした。また正常人60人の血液をコントロールとした。ミオシリン遺伝子はエキソン3個からなるが、200塩基対程度の大きさに分けてSSCP法によりスクリーニングを行い、変異が疑われたサンプルについて、直接シークエンシング法にて遺伝子配列を決定した。正常眼圧緑内障患者1家系および開放隅角緑内障患者1家系において、ミオシリンの新しい遺伝子変異を同定した。これらの家系について、緑内障の発症時期、臨床経過などを検討している。引き続き、他の緑内障患者について遺伝子解析予定である。 一方、ブタ眼より線維柱帯を摘出し、線維柱帯細胞を培養した。実験系として確立するために培養条件などを検討中である。
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