1999 Fiscal Year Annual Research Report
樹木の導管・仮導管細胞の形成に与える環境ストレスの評価に関する研究
Project/Area Number |
11780385
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土谷 彰男 広島大学, 総合科学部, 助手 (00263632)
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Keywords | 樹幹横断面 / 薄片作製 / 画像解析 / 枯死アカマツ林 / 広葉樹 / 導管面積率 |
Research Abstract |
気候ストレスや林分の変化に対する樹木の反応を細胞レベルで調べるため、初年度(平成11年度)は樹幹横断面の薄片試料の作製法を確立するとともに、広島県東広島市の西条盆地にある竜王山で毎木調査(50×50m^2)と樹幹試料の採取、樹幹横断面の年輪解析を行った。薄片試料の作製法は広葉樹を中心に検討した。試料の採取方法や顕微鏡からの反射・透過入力の方法によって異なるが、生木への損傷を最小限にするならば、成長錐によるコアサンプルを溝付きの角材にマウントして研磨する方法、伐採が可能な場合は丸のこ盤でチップ状にしてから角材に貼付して研磨する方法、またはチップから両面研磨による薄片の作製がよい。ミクロトーム法は切削面の精度の上では画像解析にもっとも望ましいが、大面積の樹幹試料では大量の切片を作製することになり、成長の履歴を追跡するには難がある。一方、現地調査を行った竜王山は国有林に指定されていて1980年頃からアカマツが枯死した林分であるが、林冠層(15m)を覆っていたアカマツが衰退したことによって光条件が改善し、亜高木層の広葉樹や50年前に植林されたヒノキの年輪幅が広くなっていた。導管レベルでは単位面積当りの導管面積率が増加し、被圧から解除された樹木が樹高(またはバイオマス)を拡大する際に必要な水分のポンプアップを急速に展開していることが伺えた。しかし、林内最下層の樹種にはその傾向が見られず、アカマツの枯死の影響は林床まで達していなかったと推察される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tsuchiya,A.,M.Hiraoka: "Forest biomass and wood consumption in the lower course of the Amazon:a case study of the Urubueua Island."Acata Amazonica. 29-1. 79-96 (1999)
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[Publications] 土谷彰男,伊澤紘生: "コロンビア国マカレナ地域の河畔林の樹種特性"広島大学総合科学部紀要. 24. 117-124 (1999)
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[Publications] 土谷彰男,石佐古早実: "樹幹横断面の試料の作製とその観察"生態環境研究. (印刷中).
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[Publications] Tsuchiya,A.,M.Hiraoka,C.R.da Silva: "Characterization and utilization of varzea and terra firme forests in the Amazon ersuary."Boletim do Museu Paraense Emilio Goeldi Serie Botanica. (印刷中).
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[Publications] Tsuchiya,A.その他4人: "An early process of vegetation succession of Amazonian terra firme forest."Caxiuana. (印刷中).