2000 Fiscal Year Annual Research Report
衣食住分野における色とにおいの相互作用に関する基礎研究
Project/Area Number |
11832023
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Research Institution | Seitoku Junior College of Nutrition |
Principal Investigator |
筒井 知己 聖徳栄養短期大学, 食物栄養学科, 教授 (20132079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小見山 二郎 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (60016574)
牛腸 ヒロミ 聖徳栄養短期大学, 教授 (80114916)
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Keywords | におい / 色 / 物体色 / 光源色 / ディスプレイ / SD法 / 因子分析 / 官能評価 |
Research Abstract |
1999年度までに、布、紙、液体などの色が、植物系のにおいであるリモネン、シトラール、1-カルボン、1-オクテン-3-オール、シンナムアルデヒド、ペリラアルデヒド、α-ピネン、β-フェニルエチルアルコール(ローズ-p)や動物系のにおいであるイソ吉草酸、γ-デカラクトン、トリメチルアミンなどのにおいの感じ方に大きな影響を及ぼすことが分かりました。加えて、赤、橙、黄、緑、青、紫、白、黒の8色の色を5台のテレビ画像の色が同じになるように画像調整を行って、光源色とし、光源色とにおいを共存させて同様の実験をし、材質によらず色そのものがにおいの感じ方に対して持つ効果を確かめ"ディスプレイの色がにおいの感じ方に及ぼす影響"として日本家政学会第52回大会(2000)に発表しました。更に、平成12年度繊維学会年次大会(2000)では、いままで調べてきた布、紙、液体などの物体色とカラーディスプレイを用いた光源色がにおいの感じ方に及ぼす影響をまとめて考察し、物体色の場合でも光源色の場合でも、第一因子は快/不快の因子と命名でき、第一因子に対する色の影響の仕方には、(1)色が影響しない場合、(2)色が強く影響する場合、(3)色によって感じ方が逆転する場合の3つに分類できることが分かりました。即ち、第一因子における色のにおいの感じ方に及ぼす影響は、色を担う物体の材質によらず、また物体色か光源色かを問わず、統一的に議論できることが分かりました。また第2回感性工学会大会(2000)では、第2因子、第3因子に対する色の影響の仕方も考察し、布、紙は色を担う材料の影響を受けなかったけれど、染料溶液、ディスプレイでは因子名が異なり、材料の影響をうけていることが分かりました。更に、具体的なものと結びついているにおいの感じ方でも、しそのにおいのペリラアルデヒドや柑橘類のにおいのカルボンなど色の影響を強く受けるものと汗臭のイソ吉草酸やレモンの香りのリモネンのように色の影響を受けないものとがあるが、色を担う材料は、あまり影響しないことが明らかになりました。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 牛腸ヒロミ: "ディスプレィ色がにおいの感じ方に及ぼす影響"日本家政学会第52回大会研究発表要旨集. 200 (2000)
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[Publications] 牛腸ヒロミ: "布、紙、液体の色がにおいの感じ方に及ぼす影響"繊維学会予稿集2000. 55巻2号. 145 (2000)
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[Publications] 牛腸ヒロミ: "においの感じ方に及ぼす色と材質の影響"日本感性工学会第2回感性工学会大会予稿集2000. 141 (2000)