1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11833008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
濱田 穣 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (40172978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 高志 国立感染症研究所, 筑波霊長類センター, 主任研究官 (60142147)
大蔵 聡 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (20263163)
渡辺 邦夫 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (60158623)
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Keywords | 季節性 / 季節繁殖 / 体脂肪 / ニホンザル(Macaca fuscata fuscata) / 思春期 / 体組成 / レプチン / IGF-1 |
Research Abstract |
本年度は計画初年度として、研究システムの構築が第一の課題であった。まず、実験群を設定した。縦断的研究を行う周思春期ニホンザル群をつくり、放飼場群(高浜群)については、新生児から老齢サルまで25頭を年4回継続的に計測するシステムを構築した。前者群は、毎週資料収集を行い、放飼場群では、7月・10月・1月・3月にそれぞれ同一項目の資料を収集した。また幸島野生ニホンザルについては、毎月の体重測定とともに、52頭を一時捕獲し、資料収集する調査を行った。調査は平成12年2月22日に行い、季節性周期のうえではもっとも削痩している頃であり、施設飼育個体成績との比較が持たれる。収集する資料項目は、形態学的資料として、生体計測(胴長,体重,胸囲,皮厚)・Dexa・MRIで、このうちDexaでは、体脂肪量を含む体組成値の年齢変化と季節性を分析するデータが得られた。MRIでは腹部蓄積脂肪の分布を観察・定量した。生理学的資料としては、採血し生殖関連ホルモン・成長系ホルモン(GH,IGF-1)・レプチンの定量を行った。時系列解析等を応用した予備的分析から、IGF-1の分泌動態が、思春期の個体で夏から秋にかけて分泌量が高まり、身長成長の加速をコントロールしていることが示唆された。ニホンザルは体脂肪率が10%以下の個体が大半であるが、オスメスそれぞれで体重12kg、8kgを超過する部分は脂肪によるものであること、同様の闘値体重の存在は、カニクイザルにも見出された。周思春期メスニホンザルで体重季節変動の著しい個体で、繁殖期にレプチン濃度の亢進が認められた。施設飼育個体でも体重季節変動が認められ、それに応じて内臓脂肪と脇腹部脂肪(腸骨稜上部)の変動が著しいことが示唆された。他部分の皮下脂肪では背部も相関した変動を示すが、四肢部の皮下脂肪は変動量がごく少ない。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Hamada Y.: "Development of the Hand and Wrist Bones in Chimpanzees"Primates. 39(2). 157-169 (1998)
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[Publications] Hamada Y.: "Adolescent Growth and Development in Japanese Macaques(Macaca fuscata) : Punctuated Adolescent Growth Spurt by Season"Primates. 40(3). 439-452 (1999)
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[Publications] 濱田 穣: "コドモ期が長いというヒトの特徴-成長パターンからみた霊長類の進化"岩波"科学". 69(No4). 350-358 (1999)
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[Publications] 濱田 穣: "ニホンザルの体脂肪"霊長類研究. 15(3). 432 (1999)
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[Publications] 渡邊邦夫: "幸島ニホンザル社会の政権抗争50年史"「科学」. 4月号. 359-366 (1999)
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[Publications] 渡邊邦夫: "幸島を訪れた人とその研究:その4、最近の研究者たち"「みやざきの自然」. 17. 75-85 (1999)
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[Publications] 濱田 穣: "霊長類額を学ぶ人のために"世界思想社. 376 (1999)
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[Publications] 渡邊邦夫: "「レッド・データ・アニマルズ」1巻"講談社(in press).