1999 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病再発に関連するライフイベントの解明と再発予防の方法論に関する研究
Project/Area Number |
11877434
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
山村 礎 東京都立保健科学大学, 看護学科, 講師 (00260323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 弘子 東京都立保健科学大学, 看護学科, 助手 (90289968)
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Keywords | コミュニティメンタルヘルス / 精神分裂病 / 公衆衛生 |
Research Abstract |
平成11年度は、フイールドとするA県B町の精神保健活動を概観することから開始した。当該町における保健婦による精神保健活動によって把握された精神分裂病者の数は、対人口に占める精神分裂病の推定有病者数にほぼ匹敵すると考えられた。また、これらの各事例に関する相談を発意した者(「初回相談者」とする)の精神障害者との社会的距離を尺度化し、これと保健婦の援助経過との関連について分析を行った。その結果、社会的な距離が離れている者が初回相談者である場合には、精神障害者との接近を保健婦がはかる過程が複雑化することが示された。すなわち、問題解決を指向する動機の低さが、精神分裂病者を中心としてどの程度まで波及しているかが、地域における精神障害者の問題解決を、ひいては再発予防を行う際の、発見を遅らせる可能性があるものと考えられた。また、このような事例においては精神障害者本人はもとより、これに対しより接近した立場にある者に対しての動機付け、あるいは健康教育を行うことが重要ではないかと考えられる。また、実際にこのような目的に添った活動を保健婦はその援助活動の一部で行っていることが窺えた。また、対象とした地区の規模が小さいことも関連しているものと思われるが、保健婦が精神保健活動を行っていること及び、その内容についても住民が充分に認知している可能性も事例の分析から明らかとなった。なお、本結果については、12年度中に投稿を予定している。
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