2011 Fiscal Year Annual Research Report
細菌細胞壁ペプチドグリカン部分構造ライブラリ構築と網羅的な被認識構造・機能の解析
Project/Area Number |
11J01965
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
王 ニン 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | peptidoglycan / Innate immunity / chemical synthesis / glycosylation |
Research Abstract |
細菌細胞壁ペプチドグリカン(PGN)は、免疫刺激活性を持つことが知られており、自然免疫受容体であるNod1,Nod2により認識され免疫系が活性化されるとともに、ペプチドグリカン認識タンパク質(PGRP)による認識、あるいは他の分解酵素、レクチンによる認識が知られている。しかしながら、その被認識構造の詳細は一部を除き詳細が明らかになっていない。 そこで、PGNのフラグメント構造について、特に四糖、八糖を中心とした天然型の種々のペプチド含有構造(主としてLys型のdi-、tri-、tetra-およびpentapeptide、四糖heptapeptideを含む)についての合成法を確立しライブラリ構築を行った。また、特に、これまで生物活性の違いおよび受容体タンパク質による認識の違いがはっきり示されていない二種類の糖鎖配列について(還元末端側構造の異なる、2種のGLcANcおよびMurNAcの繰り返し構造)、それぞれの合成法を確立するとともに、そのPGNフラグメントライブラリを構築した。また、その活性について解析を行ったところ、PGNの受容体による認識に、明らかな構造依存性が見出された。一方、比較的長鎖の糖鎖を認識する認識タンパク質についての検討については、まず、八糖構造を用いたペプチドグリカン認識タンパク質の認識ドメインでの認識部位における解析を行う事とし、八糖構造を持つPGNフラグメントの合成法検討を行うとともに、八糖グリカン部を合成し、共同研究者と共同で認識タンパク質との結合を解析した。 また、上記で開発した化学合成法を展開することにより、得られたフラグメント構造へのリンカー導入法の開発を行い、マイクロアレイを初めとする種々の化合物へのリンクを可能にした。今後、認識タンパク質との相互作用解析のための基礎的技術を確立する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定していた1年目の研究計画をほぼ終了するとともに、次年度に予定している部分についても順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで合成したPGNフラグメントライブラリについて、リンカー導入方法の開発を引き続き行うとともに、これまでの検討でほぼ実際の解析に適応可能な方法について、今後はマイクロアレイへの導入の他種々の化合物へのリンクにより、様々なタンパク質との結合解析を行う予定である。
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