2002 Fiscal Year Annual Research Report
塊茎形成および花芽形成に関わるシグナル物質の解明と機能解析
Project/Area Number |
12045201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉原 照彦 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90002071)
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Keywords | 塊茎形成 / 花芽形成 / セオブロキシド / リポキシゲナーゼ / 光 |
Research Abstract |
ジャスモン酸0.1mM溶液を日長条件L18-D6で育成したアサガオ(サンスマイル)に一日おきに散布した。その結果、散布後81日で全開花数はコントロール0個、セオブロキシド散布122個に対し、ジャスモン酸散布33個でジャスモン酸はわずかな開花促進効果を示した。このことはジャスモン酸が直接花芽形成誘導に関与していることを示唆した。しかし、ジャスモン酸はリポキシゲナーゼ活性を高めることが知られていることから(Plant Physiology 114, 1085-1093, 1997)リポキシゲナーゼの活性化により、9-hydroperoxy linolenic acidさらには花芽形成物質(FIF?)の生成によって花芽形成を誘導すると考えるのが無難である。 以上のデータおよびセオブロキシドおよび光はリポキシゲナーゼの活性に関与するという今までのデータをあわせると、まずtheobroxideあるいは光によってリポキシゲナーゼが活性化され、このことによりジャスモン酸が生成される。これらの一部はツベロン酸グルコシドに代謝され、塊茎形成を誘導する。ジャスモン酸の一部はリポキシゲナーゼの活性化に再度関与し、生成した13-hydroperoxy linolenic acidからジャスモン酸、ツベロン酸が生成する。また、生成9-hydroperoxy linolenic acidはFIF(?)生成を高め、花芽形成を誘導する。日長・セオブロキシドによる塊茎形成・花芽形成はこのようなメカニズムによって行われるという仮説が可能である。
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