2004 Fiscal Year Annual Research Report
植物表層における病原菌-植物シグナル交換と情報伝達
Project/Area Number |
12052219
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
白石 友紀 岡山大学, 農学部, 教授 (10033268)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 康之 京都府立大学, 農学部, 教授 (80183797)
久能 均 三重大学, 名誉教授 (20024573)
|
Keywords | 胞子発芽誘導オクダデカン酸 / AtMT法 / オスモチン耐性遺伝子 / シロイヌナズナIn-0 / ECM / エステラーゼ / 細胞壁NTPase組換植物 / VIGS |
Research Abstract |
(1)病原菌胞子(ウリ炭疽病菌)の発芽を誘導する植物因子が、オクタデカン酸誘導体であることを突止めた。(2)AtMT法で得られた病原菌の変異株から変異遺伝子をクローニングし、機能解析した結果、植物の防御応答に関連するオスモチン様タンパク質への耐性に関与するタンパク質であることを証明した。さらにイネいもち病菌のオルソログ遺伝子のノックアウト変異株を作出した結果、それらはイネに対する病原性を欠うことから、病原性に重要な働きをしていることを示した。(3)シロイヌナズナエコタイプIn-0はアブラナ科野菜類炭そ病菌337-5株に対して抵抗性を示す。Col-0との交雑および分子マーカーを用いた遺伝子座検定の結果、In-0の抵抗性は優性の1遺伝子によって支配され、第4染色体に座上することを明らかにするとともに、表現型に密接に連鎖する分子マーカーの作出に成功した。(4)病原菌分生子が宿主細胞に接触するとECMを分泌するが、ECM中にはエステラーゼが存在することを免疫電顕および細胞化学的手法で空間的時間的に解析した。さらに、非病原性うどんこ病菌のECMを認識すると1時間以内に拒否性が誘導されることを細胞学的に実証した。このように両者の表層でおこる物質交換が後の相互作用の引金になると結論した。(5)植物細胞壁における情報伝達系と防御システムを解析し、細胞壁NTPaseが病原菌シグナル分子の1受容体であることを明らかにした。非宿主植物ササゲの組換えNTPaseを作成して、エンドウ病原菌のサプレッサーに対する応答性を調査した結果、宿主NTPaseとは逆に、活性化されることを突止めた。活性化を受けたNTPaseから生じる無機リン酸によって防御関連遺伝子応答が誘導されることを明らかにしたが、エンドウNTPase過剰発現タバコでは病害抵抗性が増高し、NTPaseをサイレンシングしたタバコでは抵抗性が低下することを示した。
|
Research Products
(8 results)
-
[Journal Article] Identification of the genes expressed during spore germination of Mycosphaerella pinodes.2005
Author(s)
Takahara, II., Toyoda, K., Tsuji, G., Kubo, Y., Ichinose, Y., Shiraishi, T.
-
Journal Title
Journal of General Plant Pathology. 71(in press)
-
[Journal Article] Increased inaccessibility induced in barley cells after exposure to extracellular material released by nonpathogenic powdery mildew conidia.2004
Author(s)
Fujita, K., Suzuki, T., Kunoh, H., Carver, T.L.W., Thomas, B.J., Gurr, S.J.
-
Journal Title
Physiological and Molecular Plant Patholology 64
Pages: 169-178
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
-
-
-
[Journal Article] Agrobacterium tumefaciens-mediated transformation as a tool for random mutagenesis of Colletotrichum trifolii.2004
Author(s)
Takahara, H., Tsuji, G., Kubo, Y., Yamamoto, M., Toyoda, K., Shiraishi, T.
-
Journal Title
Journal of General Plant Pathology. 70
Pages: 93-96
-
-
[Book] Genomic and Genetic Analysis of Plant Parasitism and Defense (Tsuyumu et al. eds.)2004
Author(s)
Shiraishi, T., Toyoda, K., Kiba, A., Kawahara, T., Takahashi, H., Inagaki, Y., Ichinose, Y.
Total Pages
301
Publisher
American Phytopathological Society Press.St.Paul, MN, USA.
-