2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胃癌、膵癌、肺がん拒絶抗原の同定とがんワクチン開発
Project/Area Number |
12213116
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 昇志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50158937)
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Keywords | 癌抗原 / ペプチドワクチン / CTL / 第1相臨床試験 / 自家癌 / バイオインフォマティクス / サバイビン / SYT-SSX |
Research Abstract |
1)自家癌抗原の遺伝子クローニング:自家癌骨肉腫OS2000から癌抗原遺伝子PBF(papilloma-binding factor)を単離した。PBFは軟部腫瘍ばかりでなく、上皮性腫瘍の約50%に発現をみた。一方、PBFは正常膵臓や卵巣にmRNAレベルで発現をみたが、抗体を開発し蛋白レベルでの発現を検討したところ、腫瘍に比し、正常膵、卵巣での発現はウエスタン解析、免疫組織学的解析とも検出感度以下であった。このように、蛋白発現レベルが正常で極めて低いことにより腫瘍ワクチンとしての利用が示唆された。2)reverse-immunological approachより同定された癌抗原ペプチドの臨床試験:(1)IAPのひとつサバイビンが多くの腫瘍で高い発現率を示すこと、およびサバイビン由来2Bペプチド(AYACNTSTL)がHLA-A24拘束性CTLエピトープとなっていることが判明したため、本学IRBの審査を経て、第1相臨床試験を開始している。現時点で副作用はみられず7/15例の大腸癌患者、乳癌4/14例、6/13例肺癌患者で応答がみられた。(2)一方、SYT-SSX由来Bペプチド(GYDQIMPKK)についても第1相臨床試験を続行した。現時点で副作用はみられず、2/6例でテトラマー解析での免疫応答がみられた。3)Bioinformaticアプローチにより同定された腫瘍抗原:本法を利用した網羅的解析によって35種類の新規癌抗原候補を抽出し、RT-PCRによって正常組織に発現が極めて低く、癌組織に過剰発現する癌抗原17種類を同定した。
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