2000 Fiscal Year Annual Research Report
生命-鉱物のミクロ相互作用の地球史・環境・進化へのインパクト
Project/Area Number |
12304035
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
赤井 純治 新潟大学, 理学部, 教授 (30101059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 陽之助 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (90048520)
笹川 一郎 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (00095134)
福原 晴夫 新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (50108007)
小林 巌雄 新潟大学, 理学部, 教授 (70018266)
中野 聡志 滋賀大学, 教育学部, 教授 (90024968)
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Keywords | 電子顕微鏡 / 生命-鉱物相互作用 / バクテルア / 地球中 / バイオミネラリゼーション / 地下水ヒ素汚染 / 環境 / 進化 |
Research Abstract |
研究課題,生命-鉱物のミクロ相互作用の地球史・環境・進化へのインパクト,をすすめるにあたり,本年はとくに地下水砒素汚染にかかわる,微生物-鉱物相互について検討した.ミクロの生命-鉱物作用を物質的側面から検討する手法としての高分解能電子顕微鏡であるが,JEM2010電子顕微鏡が設置されたのが年度後半でまた,設置後も調整にてまどり,一部のデータが出始めたところである.地下水砒素汚染の問題にはおおきく見て3つの課題がある.一つは砒素の起源である.二つめにどのような鉱物・物質に砒素がふくまれているかという点,第三にどういう条件下で砒素が溶出するかという点である.第二の課題につき電顕で検討の結果,従来いわれていた黄鉄鉱,水酸化鉄以外にFe:S比が1:1に近い,グリグ鉱他の硫化鉄鉱物があること,水酸化鉄・酸化鉄鉱物も多様であること,また硫化鉄から水酸化鉄鉱物に一部変化しつつあるところも,電顕下でとらえられ,起源鉱物にあらたな視点をあたえていると評価される.また微生物-鉱物相互作用を,培養実験の面からもせめた.バングラデシュ堆積物に水を加え,微生物栄養源として,グルコース,ポリペプトン,他のものを加えると,これらにより,強い還元状態が生成し,その時に砒素が水中に溶出する様子が克明に追跡確認できた.またこの時に繁殖している微生物,それによるバイオミネラリゼーションを電顕下でとらえることができた.この実験結果は砒素溶出の条件解明にとって極めて重要な示唆を与える.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 笹川一郎,赤井純治: "バイオミネラリゼーション研究のための透過電顕用生物試料作成法"岩石鉱物科学. 29・. 156-169 (2000)
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[Publications] 新潟大地下水ヒ素汚染研究グループ: "地下水ヒ素汚染起源物質を含むバングラデシュシャムタ村ボーリング試料構成鉱物とその特徴"地球科学. 54・. 94-104 (2000)
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[Publications] 赤井純治: "温泉・鉱泉環境下でのバイオミネラリゼーションと地球史的意義"宇宙生物 科学. (印刷中). (2001)