2002 Fiscal Year Annual Research Report
大型鋼構造物の製造時における安全性の評価を考慮する設計手法に関する研究
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12305064
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野本 敏治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80011170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武市 祥司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90291319)
榎澤 誠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40011077)
青山 和浩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80222488)
濱田 邦裕 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40294540)
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Keywords | 安全性評価 / 作業情報 / ハザード / リスクアセスメント / 情報の共有 / 情報の管理 / 製品モデル / データマイニング |
Research Abstract |
本年度は,船舶などの大規模な溶接構造物を建造する際に重要な位置付けにある溶接作業を研究における具体的な対象作業に選定して研究を進めた。溶接作業の安全性の検討は,溶接脚長などの強度確保から溶接施工さらには運用後の溶接品質保証までを検討する溶接設計において重要な課題である。そこで,計画段階で設計者が事前に安全性を検討するために,計算機上で詳細に製造過程をシミュレーションできる環境の重要性に着目し,接合情報とVirtual Assembling機能という仮想生産をシミュレーションするシステム機能を利用し,溶接施工に関する開先・溶接法・溶接姿勢等の情報が新たに獲得されて溶接作業の具体的な詳細情報が決定される安全設計のシナリオを具体的に想定した。 以上より,溶接作業情報から,高所作業や不安定部材などの作業時における危険源を特定することを可能とする。接合情報から獲得される溶接作業情報を有効に活用して,作業の安全性に関するリスクアセスメントを行い,適切な対策を講じる。この支援システムの基本構想を整理し,プロトタイプシステムを構築した。このシステムにおいては,事故発生の原因やプロセスを「原因・対策」「ハザード」というノードから構成される有向グラフによって表現する安全情報の構造表現を導入し,事故に関係する原因や事故発生のプロセスを「要素→ハザード→要素」の一纏まりとして表現するユニットを情報モデルとして定義した。さらに,このユニットを複数記述し,それらを意味的に連結することによってネットワークという形で構造化し蓄積し,安全設計において重要な情報をマネジメントするナレッジ・サーバを構築した。この安全情報(事故事例情報)のネットワークと仮想生産をシミュレーションするシステムを統合化することにより,作業に伴うリスクのアセスメントを行うことが可能な安全設計支援システムのプロトタイプシステムを構築した。
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[Publications] 濱田邦裕, 武市祥司, 青山和浩他: "統合ジョイント設計支援システムの開発(その1)-システムにおける設計プロセスの枠組-"溶接学会全国大会講演概要. 71. 94-95 (2002)
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[Publications] 濱田邦裕, 武市祥司, 青山和浩他: "統合ジョイント設計支援システムの開発(その2)-鉄道台車を例題としたプロトタイプ・システムの構築-"溶接学会全国大会講演概要. 71. 96-97 (2002)
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[Publications] 青山和浩, 武市祥司他: "接合情報を利用した生産計画・生産管理に関する研究(その2)溶接情報から生成される作業情報の利用"溶接学会全国大会講演概要. 69集. 438-439 (2001)
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[Publications] 古賀毅, 青山和浩, 武市祥司: "信頼性設計を段階的に支援する故障情報マネージメントシステムの提案と構築"日本機械学会 交通・物流部門大会 講演予稿集. 第10巻. OS2 (2001)