2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12306002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伴戸 久徳 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20189731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 継男 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (40107355)
田村 俊樹 蚕糸昆虫農業技術研究所, 遺伝子工学研究室, 室長
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Keywords | カイコ / RNAi / NPV / ウィルス耐性 / piggyBac / DNAマイクロアレイ / primase / helicase |
Research Abstract |
本年度は、2本鎖RNAがRNAiを誘導することを利用してカイコにBmNPV耐性を付与することを試みた。まず、ルシフェラーゼ遺伝子をレポーター遺伝子として、カイコ細胞において2本鎖RNAを用いた標的遺伝子発現抑制技術を開発した。次に、2本鎖RNAがウイルスの遺伝子発現に及ぼす影響を詳細に解析するために、BmNPVのすべての遺伝子を網羅したDNAマイクロアレイを開発し、ウイルス遺伝子発現モニタリング・システムを確立した。これらの後、ウイルスの必須遺伝子lef-(primase)、p143、(helicase)配列を有する2本鎖RNA発現ユニットを構築し、トランスポゾンpiggyBacシステムを用いて蚕の卵巣由来の培養細胞(BmN)に導入後、セルソーターを用いてトランスジェニック細胞(Tg細胞)をスクリーニングした。Tg細胞にBmNPVを感染させ、導入遺伝子の効果についてDNAマイクロアレイを用いて解析したところ、標的ウイルス遺伝子の発現が抑制されることが明らかとなった。また、Tg細胞においてはBmNPVの増殖は効果的に抑制され、NPV耐性トランスジェニックカイコ細胞の作出に成功した。さらに、これらの2本鎖RNA発現ユニットをPiggyBacヘルパープラスミドとともにカイコの卵に注射しすることで、これらの発現ユニットを導入したTgカイコの作出に成功した。得られたいくつかのTgカイコ系統を用いてTgカイコにおけるBmNPVの増殖をコントロール(非Tgカイコ)と比較したところ、感染4日目のTgカイコ体液中におけるウイルス量はコントロールの十分の1以下に抑えられていることが判明した。以上、2本鎖RNAによるBmNPV遺伝子の発現抑制技術の開発に成功し、2本鎖RNA発現4ニットをpiggyBacシステムを利用してカイコに導入することで、BmNPV耐性カイコの作出に成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ryoko Isgbe: "Antisense and double-strand-RNA interference in a silkworm ovarian cell line"J.Insect Biotech.Sericol.. 71. 43-47 (2002)
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[Publications] Quan GX: "Characterization of the kynurenine 3-monooxygenase gene corresponding to the white egg 1 mutant in the silkworm Bombyx mori"Mol.Gehet.Genomics.. 267. 1-9 (2002)
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[Publications] Quan GX: "Induction of the white egg 3 mutant phenotype by injection of the double-stranded RNA of the silkWorm white gene"Insect Mol.Biol.. 11. 217-222 (2002)
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[Publications] Yamada Y: "Use of an N-terminal half truncated IE1 as an antagonist of IE1, an essential regulatory protein in baculovirus"Virus Res.. 90. 253-261 (2002)
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[Publications] Teresa Luque: "Characterization of a novel silkworm (Bombyx mori) phenol UDP-glucosyltransferase"Eur.J.Biochem.. 269. 819-825 (2002)
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[Publications] Junya Yamagishi: "DNA microarrays of baculovirus genomes : differential expression of viral genes in two susceptible insect cell lines"Arch.Virol.. 148. 587-597 (2003)