2000 Fiscal Year Annual Research Report
グローバリゼーション下の東南アジアの社会変容と地域変化
Project/Area Number |
12308003
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
梅原 弘光 立教大学, 文学部, 教授 (00160325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弘末 雅士 立教大学, 文学部, 教授 (40208872)
元木 靖 埼玉大学, 教養学部, 教授 (00092023)
白坂 藩 立教大学, 観光学部, 教授 (40014790)
鳥居 高 明治大学, 商学部, 助教授 (70298040)
高橋 昭雄 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (90282706)
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Keywords | 東南アジアの社会変容 / 稲作革新技術 / 農業商業化 / 労働力移動 / 森林破壊 |
Research Abstract |
東南アジア諸国がこれまで経験した社会変容・地域変化の基本的要因としては、戦前までは欧米列強による植民地化であり、戦後は社会経済の近代化もしくは社会主義化であった。グローバル化傾向が一段と強くなった1960年代半ば以降の時期についてみると、工業化の進展、革新的農業技術の導入が都市化、農業商業化、労働力移動、森林破壊などをもたらし、大きな社会変容、地域変化を惹き起こしている。計画初年度の今年は、特に農業商業化、労働力移動、都市化に注目し、その実態把握に重点を置いた。そのために研究分担者はもとより、研究協力者も積極的に現地に出掛けると共に、海外共同研究者にも、研究課題の調整をした上で、実態調査を開始してもらった。農業商業化の中には、稲作農業の商業化問題と稲以外の作物の商業生産に関する問題の二つがあって、前者についてはフィリピン、ベトナム、マレーシア、タイで、後者についてはフィリピン、インドネシア、マレーシア、タイ、労働力移動と森林破壊についてはフィリピンとミャンマー、労働力移動と都市化についてはマレーシアで、それぞれ調査と資料収集を実施した。明らかになったことは、稲作技術革新はすでに東南アジアの国々に広く浸透し、稲栽培の季節性が全くなくなったこと、稲作技術革新の受益者は農民ではなくどこでも米穀商など商人階層であること、従来、農業商業化、労働力移動の影響が最も遅れると考えられていた沖積平野周辺、盆地周辺部山地地帯にまではっきりと認められること、そこで今急激な社会変化が進行中であることなどを確認した。
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