2001 Fiscal Year Annual Research Report
地層中におけるアクチニドコロイド形成・移行メカニズム-実験と第一原理による解明-
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12308024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長崎 晋也 東京大学, 新領域創成科学研究所, 助教授 (20240723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 秀一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90262047)
米岡 俊明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40013221)
田中 知 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10114547)
津島 悟 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (80312990)
等々力 賢 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10270886)
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Keywords | ネプツニウム / マグネタイト / 還元速度定数 |
Research Abstract |
大気開放下とAr雰囲気下で収着量の経時変化を調べ、その差からNp(V)からNp(IV)への還元速度を見積もることを試みた。実験では、PFAテフロン容器(180ml)にマグネタイトを3g加えさらに150mlの0.1M NaNO3溶液を加えた。HNO_3あるいはNaOHで液相のpHを5.7に調整した。合計3時間以上のバブリングの後、試料は雰囲気制御グローブボックスに持ち込まれ、さらに液中の酸素を排除するため収着実験まで約7日間雰囲気制御グローブボックス内に静置された。 さらに、大気開放下とAr雰囲気下における収着量の経時変化の差がNp(V)の還元によるものであることを確認するために、Ar雰囲気下においてNp(V)溶液と5時間、1日、2日、7日接触した後のマグネタイトからTTA/xyleneを用いた抽出法により収着したNpの価数を決定することを試みた。50mlのテフロン容器を用いて、上記の収着実験と同様の液性で、固液比が1g/40mlのサンプルを準備した。上記の所定の時間経過後に固液を分離し、マグネタイトに2.0M硝酸20mlと0.5M TTA/xylene溶液を加えて収着したNpの溶出とTTAによる抽出を行った。 大気開放下における収着は1時間以内で平衡に達しているのに対し、Ar雰囲気下では2日間ほどの間、収着量が増加し続けることがわかった。Ar雰囲気下においてNp(V)溶液と5時間、1日、2日、7日接触した後のマグネタイトからTTA/xyleneによる抽出法を用いた実験の結果、Np(IV)として抽出される割合とAr雰囲気下でのNpの収着量の経時変化には相関があることがわかった。つまり、収着量の増加する挙動とNp(IV)として抽出される割合が増加する挙動は一致していることが分かった。このことから、Ar雰囲気下における収着量の経時変化について、1時間以降の収着量の増加はNp(V)が還元されてNp(IV)になる速度であると考えられた。このような結果に対して、一次反応を仮定した場合の見かけの速度定数を評価した。
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