2002 Fiscal Year Annual Research Report
酸素欠陥を有するセラミックスの気相電解有機合成反応への応用
Project/Area Number |
12309006
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
竹平 勝臣 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70294535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜川 聡 産業技術総合研究所, 物質プロセス研究部門, 主任研究員 (70357797)
早川 孝 産業技術総合研究所, 物質プロセス研究部門, 主任研究員 (50357802)
宍戸 哲也 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80294536)
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Keywords | 固体電解質 / 酸素格子欠陥 / メンブレンリアクター / 格子酸素 / 炭化水素部分酸化 / 反応性スパッタリング |
Research Abstract |
Au|YSZ|AgセルのAu電極上にMoとVを反応性スパッタリーングにより同時に積層させ、Mo-V-O/Au|YSZ|Agセルを作成した。XRD、ラマン分光等による検討からMo-V複合酸化物触媒膜は、主にMoV_2O_8相からなることが明らかとなった。両極を外部回路で結んで電気化学反応器を構成し、陽極室には炭化水素ガスを、陰極室には酸素を流通させ、外部回路に電位を掛けて陰極からYSZを透過させて陽極側に解離酸素、即ち原子状酸素を供給しながら、陽極上に積層した触媒上で、アルカンの酸化反応を行った。Mo-V-O/Au|YSZ|Agセルでは、MoO_3あるいはV_2O_5単独の場合よりも酸化脱水素活性が大幅に向上した。このときMoV_2O_8相の結晶成長方位と酸化活性と間に相関が認められた。即ち、ブロパンからプロピレンの生成に対しては、MoV_2O_8の[001]面が、エタンからエチレンの生成については、[110]面がそれぞれ有効であることが明らかとなった。また、Mo-V複合酸化物触媒上にさらにMoO_3を反応性スパッタリングにより積層させたMoO_3/Mo-V-O/Au|YSZ|Agセルでは、ブロパンから含酸素化合物であるアクロレインが一段で生成した。これは、MoV_2O_8上での酸化脱水素により生成したブロピレンがMoO_3上でさらに酸素挿入を受けたためと考えられる。Moのスパッタ時間を変化させることによりMo-V複合酸化物触媒上のMoO_3の膜厚を変化させたところ、0.1μm程度までは、アクロレイン、ブロピレンの生成速度は増加したが、これ以上MoO_3の膜厚を増加させても生成速度は向上しなかった。これは、MoV_2O_8がMoO_3によって部分的に覆われたことによって酸化脱水素の進行が抑制されたこと、およびMoO_3の結晶成長方向の異方性によってMoO_3の活性・選択性が変化したことなどによると考えられる。
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Research Products
(1 results)