2000 Fiscal Year Annual Research Report
圧電セラミックスを用いた携帯機器用・超小形コイルレス電源に関する研究
Project/Area Number |
12355012
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
広瀬 精二 山形大学, 工学部, 教授 (70007201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 学 山形大学, 工学部, 助手 (80231786)
鈴木 勝義 山形大学, 工学部, 教授 (60007028)
富川 義朗 山形大学, 工学部, 教授 (80007004)
高橋 貞行 日本電気, 研究開発グループ, 主席研究員
高野 剛浩 東北工業大学, 工学部, 教授 (50085411)
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Keywords | 圧電トランス / ACアダプタ / 小形化 / 圧電振動子 / 圧電材料 / ハイパワー評価 |
Research Abstract |
本研究は、巻線を用いないセラミックス製の圧電トランスにより超小型のACアダプタ、およびDC-DCコンバータの実用化を目指して、次の項目について明らかにするものである。すなわち、(1)電源に適した圧電材料の開発・評価・選定、(2)圧電トランスの最適設計手法の確立、(3)小形で高効率、耐衝撃性に優れた形状ならびに利用振動モードの決定。 初年度である平成12年度は、研究目的を達成するために、以下の研究を行った。 (1)新しい優れた圧電材料開発のための圧電材料の特性測定・評価方法の確立 新しく圧電材料の損失の分離測定システムを開発し、2種類の材料について測定を行った。損失の種類の分析と測定は、圧電トランスの厳密設計に不可欠であるとともに、圧電トランスに適した材料の開発になくてはならないものである。本研究では、損失の分離測定の基礎的検討を行った。 (2)圧電トランスの新しい構造の提案と構造評価 種々構成の圧電トランスを提案し、設計を行った。設計結果について、寸法比較などの評価を行った。すなわち、(a)幅縦振動利用の構成、(b)新たに考案したラジアル振動の高次モード共振を利用する構成について設計して評価した結果、現状の圧電トランスに比べ格段に小形化できる構成が明らかとなった。 (3)振動解析・実験 有限要素法解析により詳しく振動分布解析を行い、【主要設備】であるレーザー振動計により3次元的な振動分布の測定を行った。これにより、幅縦振動利用圧電トランスや高次モードラジアル振動利用圧電トランスなど性能の良い圧電トランスの振動分布や不要振動特性などが明らかとなった。 (4)電源研究を行っている大学研究室や材料開発メーカーとの情報交換、討論などを精力的に行い研究手段方法の検討を行った。 以上の成果の内の一部について発表した論文ならびに講演資料を、研究発表リストに記載している。
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[Publications] 広瀬精二: "圧電トランス開発のための基礎技術"2000年記念・先端技術シンポジウム. 39-44 (2000)
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[Publications] 広瀬,藤原,富川: "圧電トランスへの応用を目的とした高次幅縦振動の振動解析"日本学術振興会弾性波素子技術・第150委員会. 66. 107-110 (2000)
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[Publications] 広瀬,藤田,田中: "圧電振動子の定常状態・大振幅励振特性の測定法に関する研究"日本音響学会秋季研究発表会. 901-902 (2000)
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[Publications] 広瀬精二: "圧電振動子定数の大振幅励振特性測定"日本ファインセラミックス標準化専門委員会. 1-6 (2000)
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[Publications] 広瀬精二,松本睦幸: "圧電振動子のハイパワー特性に関する研究"電気学会マイクロマシーン研究会. MM-00. 19-23 (2000)
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[Publications] K.Uchino and S.Hirose: "Loss Mechanisms in Piezoelectric : How to Measure Different Losses Separately"IEEE TRANSACTIONS on UFFC. 48. 307-321 (2001)
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[Publications] 広瀬,藤田,浅水,富川: "大振幅励振時における圧電振動子損失の分離測定"電気学会マイクロマシーン研究会. MM-01. 9-12 (2001)
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[Publications] 広瀬,藤田,浅水,富川: "大振幅励振時における圧電振動子損失の分離測定"日本学術振興会弾性波素子技術・第150委員会. 71. 109-112 (2001)