2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12355024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市野瀬 英喜 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (30159842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 知広 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助手 (60311635)
幾原 雄一 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助教授 (70192474)
須賀 唯知 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40175401)
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Keywords | レーザーガン / 量子効果原子剥離 / 無損傷超薄片 / 紫外域レーザー / 平滑表面 / 電子顕微鏡観察用超薄片 / 原子構造評価技術 / 同調照射 |
Research Abstract |
本研究は、イオン研磨法の難点を、原子剥離のエネルギーを高速イオンの運動エネルギーに求めるところにある事を見抜いたことにはじまった。原理的には、高速イオンの代わりにエネルギー分散の小さい(波長の揃った)、短波長の電磁波(紫外領域レーザーとして実在)を用い、最適波長を選んで物質の結合エネルギーに同調照射させることによって、物質に損傷を与えることなく原子間結合を切断し、表面近傍の原子を順次剥離する。これにより、すでに平滑な表面を持ち格子欠陥を殆ど生成しない理想的な電子顕微鏡観察用超薄片を作製することに、主としてシリコンを用いて実験的にも成功した。この技術を実用化し原子構造評価技術の精度と信頼性の革命的な向上をめざすものである。また、本技術の実用化により、電子顕微鏡情報を「損傷を伴った偽情報の疑惑」から解放し、原子構造情報の質と信頼度を格段に向上させ、電子デバイスの開発、設計、製造の各過程などを、いわばメクラ撃ち手探り状態から解放し、ひいては、現在米国に独占されている、薄片化技術を逆に我々が独占することをねらうものである。 実用化に当たって主な課題とした、レーザーパワーの超精密制御系と微小領域への精密照射光学系の開発、適用物質範囲の拡大は、初年度ながらある程度進展を見た。まず、 1)《イオンガンとレーザーガン両備量子効果原子剥離反応薄片化研究機システムを構築した》これを用いて、下の実験を通してエネルギー密度や光学パラメータのを最適化のデータを収集できた。 2)λ=19ナノメートルにレーザー波長を固定して、シリコンカーバイド(2原子共有結合物質)、ダイヤモンド(単原子共有結合物質)、について薄片加速度を検証し既知のシリコンと比較検討し、最適な条件を、パルス幅、エネルギー密度、照射回数、について絞り込むことが出来た。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] H.Ichinose: "Crystal Interface and high-resolution electron Microscopy"Proc.Advanced Materials 2000. 1. 11-20 (2000)
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[Publications] S.Koh,T.Kondo,T.Ishiwada,H.Ichinose,I.Shoji and R.Ito: "Characterization of Sublattice-Reversed GaAs by Reflection High Energy Electron Diffraction and Transmission Electron"Physica E. E7. 876-880 (2000)
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[Publications] H.Ichinose and M.Saito: "Change in Atomic Bonding due to hydrogen-Bonding into MgO/Pd Interface"Proc Electronics Goes Green2000+. 1. 335-338 (2000)
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[Publications] B.S.Xu,L.Lu,X.G.Zhao,H.S.Jia,W.Liang,S.I.Tanaka and H.Ichinose: "Migration and bonding of Pt nanoparticles by electron beam irradiation"Int.Kuming Symp. On Microscopy. 1. 71-74 (2000)
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[Publications] T.Kuzumaki,O.Ujiie,H.Ichinose and K.Ito: "Mechanical Characteristics and preparation of Carbon Nanotube Fiber-reinforced Ti Composite"Advanced Engineering Materials. 2. 416-418 (2000)
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[Publications] H.Ichinose,H.Sawada and E.Takuma: "Atomic resolutionTEM analysis of grain boundaries in covalent bonding materials"Proc.Advanced Materials 2000. 1. 39-40 (2000)
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[Publications] 市野瀬英喜: "超高圧電子顕微鏡-世界1の高分解能を実現したテクノロジーに迫る"電子顕微鏡. 55. 265-268 (2000)
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[Publications] H.Ichinose: "Una Iente di quattro piani"Oggi N newton. 6. 130-137 (2000)
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[Publications] 市野瀬英喜: "Newton(超高圧電子顕微鏡-世界1の高分解能を実現したテクノロジーに迫る)"ニュートンプレス. 8/156 (2000)