2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12356007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蔵田 憲次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90161736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 平和 金沢大学, 工学部, 助教授 (90115246)
兼子 敬子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50332599)
富士原 和宏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30211535)
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Keywords | エントロピー / 生態系 / チャンバー / 蒸散 |
Research Abstract |
昨年度製作した生態系エントロピー収支測定用チャンバーの性能試験を行い、改良点を見いだして、改良することを目的とした。昨年度製作したチャンバーでは外気を取り入れる方式であったが、それでは、実験の再現性に問題があった。そこで、空気導入部に二酸化炭素濃度、気温、湿度を正確に制御するユニットを付加し、実験の再現性を高めることを目指した。また、湿度の正確な測定など、部分的に不十分であった測器の改良を行った。そのような改良後、再度、性能試験を行い、次の諸点が明らかとなった。 1.空気導入部の二酸化炭素濃度、気温、湿度の制御は正確であったが、制御ユニットとチャンバーとが離れていたため、その間を通過する間に気温の変動があり、改良の余地があった。 2.空のチャンバーでのエントロピー生成速度を計測した結果、絶対値の最大で0.2KJK^<-1>h^<-1>程度の値となったのに対し、生態系(養液栽培した植物)を入れた場合のエントロピー生成速度は4-5KJK^<-1>h^<-1>の値となった。気温制御した空気を導入していること、また、明期には照明していることから、チャンバーが空であっても、理論上、エントロピー生成速度はゼロにはならない。しかし、空のチャンバーでのエントロピー生成速度が負の値を示すこともあったので、上記の0.2KJK^<-1>h^<-1>という値が、製作したチャンバーの誤差の最大値と見積もられた。生態系を入れた場合のエントロピー生成速度は、その値の20倍以上の値であったので、十分な精度が得られたと考えられる。 3.生態系を入れた場合のエントロピー生成の内容を詳細に計測した結果、蒸散が大きな役割を担っていることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kurata, K., Goda, Y, Seki, H.: "ENTRON-a prototype chamber for measuring entropy production by an ecosystem"Transactions of the ASAE. (発表予定).