2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12356007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蔵田 憲次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90161736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 平和 金沢大学, 工学部, 助教授 (90115246)
兼子 敬子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50332599)
富士原 和宏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30211535)
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Keywords | エントロピー / 生態系 / チャンバー / 蒸発散 / 長波放射 / 測定誤差 |
Research Abstract |
昨年度までに、ENTRONの測定誤差は0.1kJK^<-1>h^<-1>までに低減でき、植物を内部に入れた場合の測定値より、その誤差は1割以下に抑えられること、すなわち、ENTRONにより有意な生態系でのエントロピー測定値を得られることが判明している。最終年度は、様々な環境条件を創出して生態系のエントロピー生成量を計ると同時に、測定誤差を低減する可能性を探った。また、ENTRONにより明らかとなった、生態系のエントロピー生成量の特徴に関する知見を、実際の生態系へ応用したとき、実際の生態系でのエントロピー生成がどのような特徴を持つかが明らかとなるはずである。最終年度のまとめの一環として、今までの知見に基づく実際の生態系のエントロピー生成量の解析も行った。得られた知見は次のようである。 1.誤差を含まない測定はありえない。ENTRONのよるエントロピー生成量の算出は、様々な状態量やフラックスに関する測定を総合した結果であるので、誤差も総合化される。上記の値以下に誤差をおさえることはできなかった。 2.実際の生態系では、エントロピー生成に大きな役割を演じているのは、蒸発散あるいは上向きの長波放射である。どちらがより重要であるかは、生態系の種類(たとえば、水田、灌木林、砂漠など)により異なる。
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Research Products
(1 results)