2000 Fiscal Year Annual Research Report
蒸気加熱壁と液体窒素冷却壁をもつ水素同位体分離用熱拡散塔の開発
Project/Area Number |
12358006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 一良 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50023320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 登 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70293652)
榎田 洋一 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (40168795)
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Keywords | 同位体分離 / 水素同位体 / 熱拡散法 / 深冷壁熱拡散塔 / 最適運転圧力 / 分離係数 / 質量分析計 / 核融合炉燃料サイクル |
Research Abstract |
蒸気加熱壁を高温壁として持つ熱拡散塔の設計、製作および運転を行なった。 1.装置の設計 まず、分離性能解析を行ない、加熱管外径および冷却管内径の概略寸法を決定した。供給流量を50ml/min、加熱管温度を100〜160℃とした場合について、既往の熱拡散塔内2次元流れ・濃度分布計算プログラムを用いて解析した。その結果に基づき、本装置の基本設計を行なった。加熱壁には、電気加熱式のボイラからの蒸気および電気ヒータの加熱温水を熱拡散塔上部から供給できるようにした。冷却用液体窒素の供給にあたり、冷却管外側の液体窒素充填槽の液位を検知した自動供給ラインと、塔の運転状況に応じて手動で供給するラインを設けた。液体窒素による熱収縮および蒸気/温水による熱延びを考慮し、スライド式の変位吸収機構を設けた。供給流、濃縮流、減損流中の重水素濃度測定には高分解能質量分析計を用いるため、サンプリングラインを設けた。トリチウム濃度測定のための電離箱を中心とした計測システムも併設した。 2.装置の製作 上記の検討結果から本装置の設計仕様を決定した。熱拡散塔本体、蒸気発生器、温水供給装置、液体窒素供給装置、制御盤および配管設備については、一括発注した。製作・据付に約2ヶ月を要した。 3.装置の運転 分離対象気体をH_2-HD2成分水素とし、加熱壁に40℃の温水を供給して分離実験を行なった。分離実験開始後、約60分で、濃縮流および減損流のHD濃度が定常となった。分離性能の塔内運転圧力依存性を調べた結果、約189kPaで分離係数の最大値22が得られた。計算により予測される最大分離係数は170kPaのとき約30である。この結果、本装置は十分な分離性能を有していることが確認できた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] YAMAKAWA,H. et al.: "Effect of Cold Wall Temperature of Thermal Diffusion Column on ^<14>N^<115>N-^<14>N_2 Isotope Separation"Journal of Nuclear Science and Technology. Vol.37[8]. 710-715 (2000)
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[Publications] YAMAKAWA,H. et al.: "Estimation of Hot Wire Temperature of Thermal Diffusion Column by the Pressure Change after Turning on Electricity"Journal of Nuclear Science and Technology. Vol.37[9]. 807-813 (2000)