2000 Fiscal Year Annual Research Report
高速増殖炉の二次系Na系の代替用新型熱交換器の研究
Project/Area Number |
12358007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀池 寛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20252611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 斉児 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50294046)
井上 正二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10203233)
飯田 敏行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60115988)
折田 潤一 三菱重工業(株), 神戸造船所・原子力プラント技術部, 新型炉プラント技術課(研究職)
浜田 勝彦 三菱重工業(株), 神戸造船所, 主管(研究職)
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Keywords | 高速増殖炉 / 二次ナトリウム系 / 新型熱交換器 / 自然対流熱伝達 / ガリウム / 鉛ビスマス / ナトリウム / 強制対流熱伝達 |
Research Abstract |
本年度は自然対流による熱伝達と対流の発達を調べる実験を実施した。冷却材には融点が125度の鉛ビスマスを使用し、高温動作になるので従来は水を使用していた3次冷却系に有機系冷却材を使用し、4次冷却系として冷却水を使う装置を製作した。そのために鉛ビスマスドレンタンクを購入した。 研究の結果、鉛ビスマスを媒体とした際の1次冷却管より3次系までの熱伝達特性、自然循環特性、熱通過率などの基本的な特性の概要を把握する事ができた。また局所温度揺らぎの相互相関より自然対流の流速データを取得することに成功した。鉛ビスマスでは自然循環流が発達し易いことが判った。また無次元化整理した熱伝達特性は液体金属での既存の経験式と比べて遜色なく、充分なヌッセルト数が期待できることも判った。しかし鉛ビスマスは物性値としての熱伝達率が小さく(ガリウムの1/3)、熱伝達係数はナトリウムやガリウムより小さい値に留まる。この点を設計に適用すると伝熱面積を広めにとる必要があり、密度の高さも考慮すると実機に鉛ビスマスを適用するためには熱媒体の占有体積を減らし重量増加を防ぐ手当が重要であることが判った。 本研究費は平成12年度にガリウムによる熱伝達実験、平成13年度に鉛ビスマスによる自然対流熱伝達実験、平成14年度には鉛ビスマスによる強制対流熱伝達実験の計画で認可されたもので、本年度はガリウムによる熱伝達実験のまとめを行うこととしていた。しかるに年度初旬に半導体好況の影響でガリウム価格が急騰し25万円/kgと本計画での予定価格の3倍となり、必要量が購入できなくなった。このため3年計画でガリウムの手当を行う様に方針を変更し、当初は2年目に実施の予定であった鉛ビスマスの試験を先に行った。ガリウム実験のまとめは本計画内で価格の推移を見定めつつ後年度に実施する。
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