2002 Fiscal Year Annual Research Report
「新しい現象学」から見た集合心性論の新しい可能性についての研究
Project/Area Number |
12410002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 侃 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (60065878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩城 見一 京都大学, 文学研究科, 教授 (40025086)
吉田 和男 京都大学, 経済学研究科, 教授 (40182753)
有福 孝岳 京都大学, 総合人間学部, 教授 (20031586)
高橋 憲雄 広島大学, 総合科学部, 教授 (80179506)
金田 晋 東亜大学, 総合人間・文化学部, 教授 (50034591)
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Keywords | 新しい現象学 / 感情 / 集合心性 / 雰囲気 / 身体 / アナール派 |
Research Abstract |
平成14年度においては、平成12年度,平成13年度の研究成果を踏まえて、まず第一に新現象学運動を古典的な現象学との関係において相互に連関付ける研究を遂行した.そのために海外から古典的な現象学のなかで特にフッサールや身体性および感情の問題に造詣の深い3名の研究者を招請し,共同研究を行った.6月には,ニューヨーク州立大学(バッファロー)のロドルフ・ガシェー教授,10月にはニューヨーク州立大学(ストニーブロック)のドン・ウエルトン教授,3月には,ベルギーのルーヴァンのフッサール文庫所長のベルネット教授と共同研究をおこなった.これらの共同研究から,古典的な現象学のほうでも新しい研究の成果としては,身体,感情,雰囲気の問題が新現象学運動とは異なって論理学や超越論性との連関で論じられていることがあきらかになった.これらの成果をとおして新現象学もしくは現象学と集合心性の関係をさらにどのように明らかにしていくのかをさしあたり確定するために,平成14年度において『「新しい現象学」と集合心性についての新しい研究』という論文集を出版し,これによって、本科学研究費補助金の一応の中間的な成果が結実した.論理学と身体性との関係,超越論的観念論と身体性との関係などが新たな問題の地平として登場し、それらを社会性もしくは集合心性との関係で明らかにすることがさらに期待される.
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[Publications] 小川 侃: "Are there ethical universals in the West and the East?"「新しい現象学」から見た集合心性論の新しい可能性についての研究. 175-185 (2003)
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[Publications] 有福 孝岳: "Der Verlust Menschlichkeit und das Problem des Geistes"「新しい現象学」から見た集合心性論の新しい可能性についての研究. 63-76 (2003)
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[Publications] 吉田 和男: "江戸期経済システムと日本型経営システムの改革"「新しい現象学」から見た集合心性論の新しい可能性についての研究. 123-132 (2003)
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[Publications] 高橋 憲雄: "美のイデアの輝き-テオーリアの再確認-"「新しい現象学」から見た集合心性論の新しい可能性についての研究. 99-106 (2003)
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[Publications] 金田 晋: "Views on "Society" and a Phase of Intersubjectivity"「新しい現象学」から見た集合心性論の新しい可能性についての研究. 89-98 (2003)