2002 Fiscal Year Annual Research Report

コネクショニズムの哲学的意義の研究

Research Project

Project/Area Number	12410003
Research Institution	Nanzan University
Principal Investigator	服部裕幸南山大学, 人文学部, 教授 (40110754)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	横山輝雄南山大学, 人文学部, 教授 (80148303) 大沢秀介愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50233094) 美濃正南山大学, 人文学部, 教授 (70181964) 戸田山和久南山大学, 人文学部, 教授 (90217513) 柴田正良金沢大学, 文学部, 教授 (20201543)
Keywords	コネクショニズム / ニューラル・ネットワーク / 表象主義 / 分散表象 / フレーム問題 / 素朴心理学 / 古典的計算主義 / 脳の情報処理過程
Research Abstract	昨年度に引き続き、コネクショニズムと古典的計算主義の対比を行ないつつ、コネクショニズムの哲学的意味の解明を行なった。美濃は、ホーガン&ティーンソンのアイディアを援用し、古典的計算主義を超えつつも、いくつかの点で古典的計算主義と前提を共有する立場の可能性を模索した。服部と金子はコネクショニズムにおける表象概念(すなわち分散表象)がはたして「表象」と呼ぶに値するかということを研究し、その有効性の度合を明らかにした。金子はどちらかといえば、肯定的に評価し、服部は否定的に評価しているので、この点についてはさらに具体的な事例に即した研究が必要であることが明らかとなった。柴田と柏端は、「等効力性」議論を検討することを通じて、「素朴心理学」的説明による人間の行為の説明が真ではないとする主張の意義を研究し、柏端は、コネクショニズムが素朴心理学の消滅よりはむしろその補強に役立つという評価をするに至った。他方、柴田は、素朴心理学は科学的心理学を取り込んだ形で生き残るか、道具主義的な意味で残るであろう、と結論するに至った。戸田山と横山はコネクショニズムが認知の新しい理論であると言われるときに正確には何が言われているのかということを研究した。大沢は、古典的計算主義における古典的表象のみならずコネクショニズムにおける分散表象もともにある種の限界をもっと論じ、それに代えて新たに像的表象の概念を提案し、そこでの論理を具体的に提案した。しかし、この点はまだ十分に展開しきれてはいないので、今後も引き続き研究する必要のあることが判明した。なお、今年度は、2002年9月7日に、研究分担者以外に名古屋大学の棚橋哲治氏、神戸大学の羽地亮氏、東京大学の金杉武史氏をゲストに招いて、南山大学において公開の研究集会を開催し、われわれの本年度の研究成果を世に問うた。

Research Products

(12 results)

All Other

All Publications (12 results)

[Publications] 金子善彦: "Aristotle on Meaning and Essence (David Charles, OUP2000)"西洋古典学研究. 50. 132-135 (2002)
[Publications] 柏端達也: "クワインの唯名論について"科学哲学. 35・2. 41-54 (2002)
[Publications] 戸田山和久: "狭義の科学哲学と科学技術社会論"科学技術社会論研究. 1. 90-95 (2002)
[Publications] 戸田山和久: "企業倫理と工学倫理に倫理学はいかなる貢献をなしうるか"工学倫理の条件. 123-131 (2002)
[Publications] 戸田山和久: "人工生命と現象としての計算をめぐる天使と悪魔の対話"Computer Today. 40-45 (2002)
[Publications] 柴田正良: "哲学者が教える工学倫理"工学倫理の条件. 92-99 (2002)
[Publications] 柴田正良: "認知科学に現象学は何を寄与しうるか"現象学年報. 18. 85-98 (2002)
[Publications] 大沢秀介: "アブダクションの論理としてのプラグマティズム"理想. 669. 23-34 (2002)
[Publications] 横山輝雄: "功利主義と天賦人権論"他者を負わされた自我知. 3-22 (2003)
[Publications] 戸田山和久: "知識の哲学"産業図書. 272 (2002)
[Publications] 戸田山和久: "論文の教室"NHK出版. 297 (2002)
[Publications] 服部博幸: "言語哲学入門"勁草書房. 230 (2003)

2002 Fiscal Year Annual Research Report

コネクショニズムの哲学的意義の研究

Principal Investigator

服部 裕幸 南山大学, 人文学部, 教授 (40110754)

Research Products

[Publications] 金子善彦: "Aristotle on Meaning and Essence (David Charles, OUP2000)"西洋古典学研究. 50. 132-135 (2002)

[Publications] 柏端達也: "クワインの唯名論について"科学哲学. 35・2. 41-54 (2002)

[Publications] 戸田山和久: "狭義の科学哲学と科学技術社会論"科学技術社会論研究. 1. 90-95 (2002)

[Publications] 戸田山和久: "企業倫理と工学倫理に倫理学はいかなる貢献をなしうるか"工学倫理の条件. 123-131 (2002)

[Publications] 戸田山和久: "人工生命と現象としての計算をめぐる天使と悪魔の対話"Computer Today. 40-45 (2002)

[Publications] 柴田正良: "哲学者が教える工学倫理"工学倫理の条件. 92-99 (2002)

[Publications] 柴田正良: "認知科学に現象学は何を寄与しうるか"現象学年報. 18. 85-98 (2002)

[Publications] 大沢秀介: "アブダクションの論理としてのプラグマティズム"理想. 669. 23-34 (2002)

[Publications] 横山輝雄: "功利主義と天賦人権論"他者を負わされた自我知. 3-22 (2003)

[Publications] 戸田山和久: "知識の哲学"産業図書. 272 (2002)

[Publications] 戸田山和久: "論文の教室"NHK出版. 297 (2002)

[Publications] 服部博幸: "言語哲学入門"勁草書房. 230 (2003)

服部裕幸南山大学, 人文学部, 教授 (40110754)