2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12410082
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井上 紘一 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (10091414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百瀬 響 北海道教育大学, 教育学部, 助教授 (10271727)
澤田 和彦 埼玉大学, 教養学部, 教授 (70162542)
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Keywords | ブロニスワフ・ピウスツキ / 極東民俗学 / 極東近現代史 / アイヌ / ウイルタ(オロッコ) / ニヴフ(ギリヤーク) / ナーナイ(ゴリド) / 先住民政策 |
Research Abstract |
平成14年度の研究実績を1.資料収集と分析、2.出版活動、3.データベースに分けて略述する。 1.最終年度であるためピウスツキの関連著作の分析・評価に精力を傾注した。まず年度初めに各著作について、最もふさわしい研究者(計10名)に評価を依頼した。研究代表者・分担者は、ピウスツキによる「樺太アイヌ統治法案」とアイヌに対する教育の試みの分析・評価を進め、日本滞在の足取りを精査した(これは彼の日本研究の全貌を把握する結果となった)。 2.今年度は若手人類学者によるフィールドワークの成果を世に問う『社会人類学から見た北方ユーラシア世界』、本プロジェクトの成果報告書である『ピウスツキによる極東先住民研究の全体像を求めて』を公刊した。研究代表者・分担者によるその他の研究報告や出版活動は、以下に記載の「研究発表」ならびに後者の「はしがき」所載の「研究発表」の項を参照されたい。今年度に予定していたPilsudskiana de Sapporo(PdSと略称)誌の3号(A Collection of Letters Addressed to B.Pilsusdki)、4号(A Collection of B.Pilsusdki's Letters to His Family)の刊行は、遺憾ながら次年度へ繰り延べとなった。PdS誌は本プロジェクト終了後も継続する所存である。 3.3年間に推進したピウスツキ研究関係資料収集によって、データベースの基礎は整備されたと考えている。今後は、関連情報のデジタル化を順次図る中で、デジタル情報で一元化されたデータベースの構築を進める。平成14年6月、本プロジェクトのホームページが、北海道大学スラブ研究センターのウエブサイト内に、Pilsudskiana de Sapporoと題するリンクの形で公開された(URL : http : //src-h.slav.hokudai.ac.jp/inoue/htm)。関連するホームページとしては、グダンスク大学のチェルミンスキ教授のもの(URL : http : //panda.bd.univ.gda.pl/ICRAP/html)が存在するのみである。本ホームページも内容の充実に努めながら、やはり継続する方針である。
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[Publications] 井上紘一: "ブロニスワフ・ピウスツキ"樺太アイヌの伝統文化-ピウスツキ・コレクションより-(樺太アイヌ協会編、北海道出版企画センター刊). 107-113 (2002)
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[Publications] 井上紘一: "ブロニスワフ・ピウスツキの不本意な旅路"樺太アイヌの伝統文化-ピウスツキ・コレクションより-(樺太アイヌ協会編、北海道出版企画センター刊). 114-130 (2002)
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[Publications] 井上紘一: "B.ピウスツキと北海道-1903年のアイヌ調査を追跡する"ピウスツキによる極東先住民研究の全体像を求めて(井上紘一編、北海道大学スラブ研究センター刊). 11-31 (2003)
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[Publications] Koichi Inoue: "B.Pilsudski's Proposals of Autonomy and Education for the Sakhalin Ainu"ピウスツキによる極東先住民研究の全体像を求めて(井上紘一編、北海道大学スラブ研究センター刊). 49-74 (2003)
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[Publications] Koichi Inoue: ""Dear Father"-B.Pilsudski's Letters from the Petro-Pavlovsky Fortress"ピウスツキによる極東先住民研究の全体像を求めて(井上紘一編、北海道大学スラブ研究センター刊). 173-188 (2003)
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[Publications] Kadzuhiko Savada: "Yaponskiye znakomyye Bronislava Pilsudskogo(4.Yaponskiye sotsialisty)(in Russian)"Izvestiya Instituta naslediya Bronislava Pilsudskogo. No.6. 112-115 (2002)
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[Publications] 澤田和彦: "ロシア人教師列伝 1. N.A.ネフスキイ"アヴローラ(大阪外国語大学ロシア語科同窓会刊). No.10. 2-5 (2002)
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[Publications] 澤田和彦: "ロシア人の観た明治の新潟-P.G.ヴァスケーヴィチ『日本旅行日誌 敦賀港から新潟まで』について-"ロシア語ロシア文学研究. No.34. 33-41 (2002)
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[Publications] 澤田 和彦: "白系ロシア人と近代日本文化"第3回「日露歴史認識」シンポジウム(記憶)、日ロ交流協会刊. 39-44,51-52,57,79-84 (2002)
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[Publications] 澤田 和彦: "大阪外大露語部初代教授・松永信成のこと"窓(ナウカ社刊). No.123. 32-35 (2002)
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[Publications] Kazuhiko Sawada: "Bronislaw Pilsudski and Futabatei Shimei"ピウスツキによる極東先住民研究の全体像を求めて(井上紘一編、北海道大学スラブ研究センター刊). 107-116 (2003)
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[Publications] Kadzuhiko Savada: "Yaponskiye znakomyye Bronislava Pilsudskogo(in Russian)"ピウスツキによる極東先住民研究の全体像を求めて(井上紘一編、北海道大学スラブ研究センター刊). 117-143 (2003)
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[Publications] 澤田 和彦: "プロニスワフ・ピウスツキ日本暦"ピウスツキによる極東先住民研究の全体像を求めて(井上紘一編、北海道大学スラブ研究センター刊). 145-172 (2003)
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[Publications] Hibiki Momose: "A Brief Analysis of the Number of Visa Issued by Japanese Consulates in 1999"北海道大学教育大学紀要(人文科学・社会科学編). 53-1. 65-75 (2002)
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[Publications] 百瀬 響: "近代日本における北海道の内国植民地化と対アイヌ政策の論理-風俗統制令を中心として-"Journal of Pacific Asia. Vol.19. 7-25 (2003)
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[Publications] 百瀬 響: "開拓使期における狩猟行政-「北海道鹿猟規制」制定過程と狩猟制限の論理-"社会人類学から観た北方ユーラシア世界(井上紘一編、北海道大学スラブ研究センター刊). 101-112 (2003)
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[Publications] 百瀬 響: "日本のアイヌ政策からみる「樺太アイヌ統治法案」-近代化政策の評価をめぐって-"ピウスツキによる極東先住民研究の全体像を求めて(井上紘一編、北海道大学スラブ研究センター刊). 33-47 (2003)
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[Publications] ヴラヂスラフ・ラティシェフ, 井上紘一 編: "樺太アイヌの民具/Narodnoye iskusstvo sakhalinskikh aynov/Sakhalin Ainu Folk Craft"北海道出版企画センター. 176 (2002)
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[Publications] Koichi Inoue, ed.: "B, Pilsudski in the Russian Far East : From the State Historical Archive of Vladivostok(Pilsudskiana de Sapporo, no.2)"Sapporo : Slavic Research Center of Hokkaido University. 143 (2002)
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[Publications] 百瀬 響: "ロシア極東に生きる高齢者たち-年金生活者のネットワーク-(ユーラシア・ブックレット、no.38)"東洋書店. 63 (2002)
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[Publications] 井上紘一 編: "社会人類学からみた北方ユーラシア世界"北海道大学スラブ研究センター. 125 (2003)
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[Publications] 井上紘一 編: "ピウスツキによる極東先住民研究の全体像を求めて"北海道大学スラブ研究センター. 196 (2003)