2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12410085
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白木沢 旭児 北海道大学, 文学研究科, 助教授 (10206287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 昇 北海道大学, 文学研究科, 教授 (20002264)
権 錫永 北海道大学, 文学研究科, 助教授 (40301858)
井上 勝生 北海道大学, 文学研究科, 教授 (90044726)
櫻井 英治 北海道大学, 文学研究科, 助教授 (80215681)
河内 祥輔 北海道大学, 文学研究科, 教授 (80013283)
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Keywords | 朝鮮 / 韓国 / 東学 |
Research Abstract |
8月14日から18日にかけて外務省外交史料館、国立公文書館、国立国会図書館の資料調査を行った。その結果、明治期における日朝貿易、甲午農民戦争(東学農民戦争)、朝鮮における宗教政策、植民地期朝鮮における軍事援護制度、植民地期朝鮮における帰化政策、戦時期朝鮮人強制連行、戦後の朝鮮米輸出等に関する一次史料を収集した。また、10月4日には朝鮮人強制連行研究の第一人者である白戸仁康氏を招き研究会を開催した。 これらの資料に基づき分析を進めた結果、以下の成果を得ることができた。まず、明治期日朝貿易に関しては、開港後日清戦争までの時期において日本側外交官がさまざまな形で朝鮮内の視察を行い、産業、商況等を報告していることがわかった。そのなかで、当該期は朝鮮人として平安道商人が、長年の中国・朝鮮貿易で富を蓄積し、朝鮮内で商業上のヘゲモニーを握っていたことがわかった。また、朝鮮におけるマニュファクチャもかなり発展しており、絹織物、綿織物、麻織物が製織されていた。調査した日本人外交官は、更に加工上の工夫を加えれば、輸出品として有望である旨を強調している。日清戦争以前の日朝関係史は、とりわけ朝鮮市場社会の再評価を必要としているように思われる。 次に、第二次世界大戦後の朝鮮米輸出については、日本政府の輸入促進協議会議事録を分析することにより、日本政府は、戦前と同様に朝鮮米を輸入することを期待し、さまざまな働きかけを行ったが、朝鮮側は、アメリカ占領当局の農民対策がかなりゆるやかであったこともあり、日本への米供給はまったくなされなかったことがわかった。日本政府が朝鮮米輸入を断念するのは、戦後1ヶ年ほど経過してからであった。
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Research Products
(1 results)