2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12410104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 直 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20292732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貫 静夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (70169184)
今村 啓爾 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70011765)
宇田川 洋 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50107520)
安斎 正人 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (60114360)
佐藤 宏之 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50292743)
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Keywords | 生業 / 狩猟・採集 / 初期農耕 / 植物遺体 / 東アジア / 先史時代 |
Research Abstract |
本研究の最終年度で、これまでに進めてきた狩猟・採集・農耕にかんする調査と研究を進め、また資料収集を継続するとともに、その点検と分析を行い、生業研究の研究会を開催した。 とくに弥生時代遺跡出土植物種実と朝鮮半島遺跡出土植物遺体資料について、発掘調査報告書に再度当たり、データの誤り・漏れを点検し、植物図鑑等と照合して植物名称の誤りがないかなどをチェックし、データ・ベース原稿作成を進めた。これによって現在入手できる発掘調査報告書などの資料にもとづく弥生時代200数十遺跡、朝鮮半島100遺跡前後に関するほぼ完全なデータ・ベースの作成に漕ぎつけた。さらに朝鮮初期農耕を考える上で参考となる15世紀の農耕にかんする統計資料を『世宗実録』地理誌から作成し、これにもとづいて初期農耕の特質を考察し、弥生農耕との比較を行った。 また生業関連遺跡の立地等の調査を、北海道オホーツク海沿岸(網走〜紋別地域)、北部九州(福岡県、佐賀県)、宮城県貝塚遺跡について行った。 研究会は、外部材究者3名を招き、縄文時代から弥生時代移行期の生業の変革(山本悦代氏)、韓国初期農耕期の耕作遺構の実態(李相吉氏)、アイヌ民族の生業の民俗学的研究(出利葉浩司氏)をテーマに『東アジアの生業形態III』を開催し、本研究の進展に有益な討論会を行った。 これら各種資料データ・ベース、遺跡の実地調査、研究会等にもとづく研究成果論文を執筆し、データ・ベースとその分析結果とあわせ最終報告書に掲載する。
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[Publications] 後藤 直: "朝鮮半島の農耕の始まり"大阪府文化財センター・弥生文化博物館『弥生時代の始まり』. 7-11 (2003)
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[Publications] 大貫静夫: "東北アジア食料採集民の食料的基盤"国際シンポジウム予稿集「東アジアにおける新石器文化の成立と展開」. 43-51 (2003)
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[Publications] 大貫静夫: "華南-南嶺山脈の北と南"季刊考古学. 83. 75-79 (2003)
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[Publications] 大貫静夫: "石庖丁は海を渡ったか"異貌. 21. 2-8 (2003)
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[Publications] 佐藤宏之: "ロシア極東少数民族の狩猟について"法政考古学. 30. 543-560 (2003)
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[Publications] 熊木俊朗: "道東北部の続縄文文化"新北海道の古代2(北海道出版社). 50-69 (2003)