2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12410106
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Research Institution | Okinawa International University |
Principal Investigator |
江上 幹幸 沖縄国際大学, 文学部, 助教授 (30320518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 直美 琉球大学, 医学部, 助教授 (30128053)
上原 静 沖縄国際大学, 文学部, 専任講師 (40320519)
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Keywords | 集石遺構 / 無土器時代 / シャコガイ製貝斧 / スイジカイ製貝製品 / 蒸し焼き料理 / 地炉 / リュウキュウイノシシ / ストーンボイル |
Research Abstract |
発掘調査地 沖縄県宮古郡城辺町新城荒牛 アラフ(新生)遺跡(砂丘遺跡・貝塚) 発掘調査期間 一次調査(平成12年9月15日〜9月30日)・二次調査(平成12年12月20日〜12月30日) 初年度は測量、遺構および層序確認調査を行い、集石遺構が三つの文化層から出土することを明らかにした。調査区を二地区に区分し、第一調査区は段丘上面、第二調査区は段丘下面とした。以下、その調査概要である。 (1)一次調査は第一調査区を中心に発掘を行い、第IV層まで確認。その結果、第III層に集石遺構を伴う包含層を検出。円形の集石遺構、貝溜まり、焼石群が出土。遺物は人口遺物としてスイジガイ製利器が1点、自然遺物として貝、獣骨、魚骨が出土した。集石遺構の細部の発掘調査は来年度に実施する。第一調査区と第二調査区の境界断面でV層からVIII層までの層序を確認した。断面にはV層、VII層に文化層がみられ、それぞれに集石遺構が伴うことが明らかとなった。間層は白砂層である。 (2)二次調査は第二調査区を中心に調査を実施。本調査区はI層からV層までが開墾で削剥されているため、地表より約70cmで第VII層の文化層が確認された。この層より集石遺構群が検出される。遺物は自然遺物のみ出土。第III層と第VII層の集石遺構の相違は炭化した炭、および焼貝、焼石の多少の比率差にあり、第VII層には部分的に黒色化したブロックが確認される。宮古島で上記のように3層から集石遺構を確認したのは本遺跡がはじめてであるが、年代的な開きがどれくらいあるかは年代測定の結果待ちである。 (3)隣接する浦底遺跡から多量に出土するシャコ貝製貝斧は表面採集品として発掘期間中にも採集されたが、遺構からは出土していない。砂丘地での埋葬遺跡は今回の調査では確認できなかった。 (4)フローテーションでの分析は札幌大学の高宮広士氏、年代測定は国立歴史民俗博物館の辻誠一郎氏、獣骨のDNA鑑定は帯広畜産大学の石黒直隆氏に分析を依頼している。
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