2001 Fiscal Year Annual Research Report
言語間の差異に関する記述的・理論的総合研究〜日中朝独仏英瑞の比較に基づく「差異の類型化」の試み〜
Project/Area Number |
12410126
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鷲尾 龍一 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 教授 (90167099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 俊明 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (60213881)
伊藤 眞 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (60168375)
山田 博志 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (10200734)
中本 武志 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 講師 (10292492)
加賀 信広 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (20185705)
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Keywords | 助動詞選択 / 慣用句 / 再帰代名詞 / ドイツ語 / フランス語 / ノルウェー語 / イディッシュ語 / 非対格仮説 |
Research Abstract |
研究実績の概要を箇条書きにすれば次のようである.(1)英語・ドイツ語・オランダ語・ノルウェー語の再帰構文を比較対照し,その類型化を試みた.その結果,再帰代名詞が用いられる構文の範囲は言語により異なっており,それらは階層ないし含意関係にあることが明らかになった.(2)日本語の受動文における義務的動作主句と随意的動作主句の文法的特性の差異に関して,この区別を生じさせる文法的要因を探った.また,イディッシュ語の有標構文に関して,昨年度の従属節から今年度は主節に視点を移して,その分布を調査し,談話機能論的分析を試みた.(3)意味役割の階層とその統語的反映について,英語および日本語のデータに基づいて考察した.(4)日独慣用句の対照研究を継続して行い,併せて日本語起源のドイツ語外来語の意味機能について研究した.(5)助動詞選択やロマンス語の不定詞構文を普遍性の高い枠組みで説明した.また基本動詞の多言語比較を行い,一般性と個別性を備えた記述をした.さらに普遍的な母音表示システムと音節構造について考察した.(6)条件文を例に言語システムに経済性・節約志向が見られることを明らかにした.また限界点を示す日英語の表現について,否定現象との関連で考察した.(7)中国語において動詞の後に生起する数量詞の性質を多角的に検討した.(8)ドイツ語およびオランダ語における過去分詞の性質を調査し,非対格仮説では説明しきれない現象が存在することを明らかにした.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 鷲尾龍一: "上代日本語における助動詞選択の問題"日本語文法. 2.1(印刷中). (2002)
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[Publications] 中本武志: "ロマンス語における不定詞への接語化"次世代の言語研究. 1. 113-135 (2002)
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[Publications] Oya, Toshiaki: "Resultatives and Reflexives"東西言語文化の類型論特別プロジェクト研究報告書. 5(印刷中). (2002)
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[Publications] Yamada, Hiroshi: "Sur les deux types de la construction du verbe pronominal passif"Etudes de Langue et Litterature Francaises. 80. 208-221 (2002)
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[Publications] 伊藤眞: "外来語の意味変化"言語文化論集. 58. 1-34 (2002)
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[Publications] 加賀信広: "意味役割と英語の構文"語の意味と意味役割. 87-181 (2001)
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[Publications] 鷲尾龍一・他: "三修社"事象と言語形式. 316 (2002)
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[Publications] 鷲尾龍一・他: "事象と言語形式"三修社. 316 (2002)