2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12420008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡邉 惺之 大阪大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30032593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 美明 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (20144420)
櫻田 嘉章 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10109407)
松岡 博 大阪大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30028013)
中野 俊一郎 神戸大学, 法学部, 教授 (30180326)
道垣内 正人 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (70114577)
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Keywords | 韓国家庭法院 / 外国身分関係に基づく戸籍訂正と執行判決 / 相互の保証 / 国際的保全処分 / 在外第三債務者への仮差押え命令の送達 / 韓国国際私法 |
Research Abstract |
1.家事審判・調停の承認と戸籍制度の比較研究;(1)韓国では家庭法院は実際に独立した裁判所として設置されているのはソウルに止まり、それ以外の地域では地方法院が兼ねており、調査官も実際には現在は配置されていない。この分野における相互の協力は現時点では困難である。(2)韓国では外国身分関係判決に基づく韓国戸籍の記載の訂正には、それを広義の執行と考えて原則的には執行判決を要すると解されている。しかし、外国離婚判決に関しては例外的に執行判決を要しない実務が定着している。従って、韓国戸籍を伴う身分関係に関する外国判決については、実際には自動的承認制度が修正されたに等しい結果となっている。これが自動的承認を前提としたわが国における承認実務との間で相互保障の要件を充たすと解し得るかは議論の余地がある。 2.保全処分制度の比較研究と相互執行の枠組み;(1)日韓の保全処分に関する法制度は類似しており、相互的な国際的協力について制度的な基盤はあるといえる。しかし、今回の報告の限りでは、韓国ではまだ国際的保全処分に関する判例はないようであり、韓国側の報告は概ねドイツ学説によるものであった。(2)在外第三債務者に対する送達、外国保全処分執行の際に問題となる判決国における保全処分の取消しによる承認国における回復の困難等の、具体的な問題への関心はわが国の場合に類しており、将来的な協力を余地は大きく、更に検討を重ねる必要がある。 3.韓国国際私法改正;当初予定されていた本年度の研究実施計画を一部変更し、現に進行中の韓国国際私法の全面改正を緊急のテーマとして取り上げた。内容的には、反致制度、国際裁判管轄の総則規定、その他の最新の抵触法技術の導入など注目すべき特色を有する。 本年7月の改正法施行後に研究成果として本研究会での検討成果を公表する予定。
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