2000 Fiscal Year Annual Research Report
環境関連財政支出および企業の環境対策によるマクロ的経済効果に関する日中比較研究
Project/Area Number |
12430008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
荒山 裕行 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60191863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤倉 良 立命館大学, 経済学部, 教授 (10274482)
薛 進軍 大分大学, 経済学院, 教授 (40262399)
並河 良一 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80313964)
竹歳 一紀 桃山学院大学, 経済学部, 助教授 (00242800)
厳 善平 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (00248056)
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Keywords | 中国 / 環境問題 / 市場経済化 / 郷鎮工業 / 環境行政 / アンケート調査 / 環境協力 / 環境法制 |
Research Abstract |
新興工業国は、経済発展の初期段階から、一般の公害対策に加えて地球規模での環境問題への対応が迫られている。先進工業国が当初主として局所的な環境問題(公害)へ対応しつつ経済成長を成し遂げてきた発展過程とは、この点で大きく異なる。先進工業国は経済成長を成し遂げた後に地球規模の環境問題への対応が迫られるようになったことで、新興工業国が現在抱える環境・経済問題を解決するための十分な理解が先進工業国の側にあるとは言えない状況にある。 経済成長とともに加速する新興工業国の環境問題解決のためには、先進工業国は、環境汚染の抑止に成功したプロセスにおける政府・企業の役割(対策)を明らかにし、新興工業国における環境対策の指針を提供して行く必要がある。 本年度は、1)日中韓の環境の現状、および2)公害克服の経験を持つ日本の地方自治体レベルの環境政策とその有効性を検討した。成果として、(1)日中韓の三国における高度経済成長期における産業公害の現状と環境対策の相互比較から、今後の東アジアにおける環境対策と協力のあり方に関する相互理解が進んだこと、(2)産業公害対策における中央政府の役割、地方政府の役割、企業の役割を、各国の経験に則して明らかにできたこと、(3)「ソフトサイエンス(社会科学)」を中心とする、環境と持続的経済成長に関するシンポジウムがほとんど見られない状況下にあって、日中韓米の社会科学研究者との討論の場を設け、それを通して、社会科学(経済学、法学)を中心とする環境問題への取り組みへの理解が得られたことなどがあげられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 荒山裕行: "規制、環境関連政府財政支出、企業による設備投資-産業公害低減のための不可欠の要素"第3回持続可能な発展戦略シンポジウム-経済・エネルギー・環境の調和ある発展をめざして. (Proceedings). 7-14 (2000)
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[Publications] 藤倉良: "開発援助プロジェクト環境配慮の方向性に関する研究"環境経済・政策学会2000年大会報告要旨集. 204-205 (2000)
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[Publications] 厳善平: "何が成長を制約するか?"南亮進・牧野文夫編『中国経済入門』日本評論社. 第12章. 201-214 (2001)
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[Publications] 竹歳一紀: "Environmental Pollution and Policies in China's Township and Village Industrial Enterprises"ZEF Discussion Paper on Development Policy. No.36. 1-39 (2001)
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[Publications] 薛進軍 (他): "中国の経済発展と環境問題"東北財経大学出版社. 210 (2001)