2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12440061
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 史郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50089851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林井 久樹 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (50180980)
杉山 晃 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80187674)
大島 隆義 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00134651)
玉井 邦雄 高エネルギーPD速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (60125606)
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Keywords | タウレプトン / CP非保存 / 標準理論 |
Research Abstract |
KEKBファクトリ加速器は本年度著しい進展をみせ3.2×10^<33>/cm^2/secと世界最強に並ぶルミノシティを達成した。それにともないBELLE実験で収集するデータ量も飛躍的に向上し本研究のτ粒子事象も統計を貯めつつある。 本年度においては、データ解析が支障なくおこなえるように、計算資源やソフトウェアなど解析環境を整備した。特にシミュレーションによる擬似データ生成においては名古屋大学が全て生成を行い他研究機関への供給をおこなっている。 データ解析においては、τ粒子生成におけるCP非保存の検出を目的とする解析として、(1)τペアの純レプトニック崩壊によるe、μ終状態での測定、(2)τ粒子が終状態ππ^0νに崩壊する場合の2種類の解析を行い結果を2000年International Conference of High Energy Physics(大阪)へ寄稿論文として報告し、τの国際会議(International Workshop on τ Lepton Physics : Victoria,Canada)で上述の2つの解析結果の発表をおこなった。 (1)の解析ではτ→eνν,τ→μνν事象を用いCP非対称パラメーター(A,T33、Q33)を1%の精度で測定し、この精度でのCP非保存がないことを示した。このようなパラメータを用いての測定は世界で初めてである。 (2)の解析ではππ^0の角分布からτの崩壊におけるCP非対称度を測定しこの破れを1%の精度で抑えることができた。 これら2つの解析は統計誤差が精度を決めているためデータ量が増えるとともにCP非保存の測定精度は向上していく。 さらにτ→μγによる標準理論を超える新しい物理の探索、τ→ρνγによるτの崩壊における高次効果の測定を現在進めている。
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