2002 Fiscal Year Annual Research Report
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12440073
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization (KEK) |
Principal Investigator |
山内 正則 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20174584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生出 勝宣 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (50150008)
岡田 安弘 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20212334)
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Keywords | Bファクトリー / CP対称性 / 超対称性 / B中間子 / ルミノシティー / 粒子測定器 / KEKB / Belle |
Research Abstract |
現在高エネルギー加速器研究機構(KEK)で実験が続けられているBファクトリー(KEKB)において世界最高のルミノシティーが達成され、小林・益川理論が予言するCP対称性の破れなどが明らかになった。この加速器の性能を10倍以上に向上させることによって標準理論を越えた物理の関与を調べるための方策を理論、実験方法の両面から明らかにするのがこの計画のねらいである。理論的研究からは、(1)B中間子の電弱ペンギングラフによるFCNC崩壊を調べることによって超対称性粒子の関与が探索できること、(2)B中間子のDτν終状態への崩壊分岐比の測定によって荷電ヒッグス粒子の探索が可能であること、(3)B中間子の崩壊に見られるさまざまなCP対称性の破れと小林・益川行列の行列要素の測定などを組み合わせることによって超対称性がこわれたメカニズムを特定できる可能性があること、などが明らかにされた。実験方法に関しては、(1)加速器に蓄積する電流が現在のKEKBに比べて20倍までは飛跡検出器としてドリフトチェンバーの使用が可能であること、(2)電磁カロリメターとして現在KEKBで使用しているCsI(Tl)結晶カロリメターを引き続き使用することが可能であること、などが明らかになり、また、測定器の読み出しに必要な電子回路チップ、データ収集システムなどが開発された。加速器技術に関しては、(1)ビームパイプとしてアンテチェンバーと呼ばれる2重構造を持つパイプを用いることによってビーム電流が10倍程度まで増加しても不安定性が起きないこと、(2)衝突点においてクラブ交叉と呼ばれる衝突方法を採用することによってルミノシティーが4倍程度改善されること、などが明らかになった。
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