2002 Fiscal Year Annual Research Report
赤道域の積雲対流と大気波動に関するゾンデ観測とデータ同化モデリングによる研究
Project/Area Number |
12440127
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中村 卓司 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (40217857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 憲敬 京都大学, 理学研究科, 助手 (00222183)
堀之内 武 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助手 (50314266)
津田 敏隆 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授 (30115886)
藤原 正智 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 学振特別研究員
竹見 哲也 大阪大学, 工学研究科, 助手 (10314361)
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Keywords | 大気重力波 / メソスケールモデル / 水蒸気 / オゾン / 積雲対流 / 赤道域 / 重力波欣起 / 対流圏成層圏物質交換 |
Research Abstract |
本研究課題では、赤道域で活発に励起される積雲対流で励起され、対流圏・成層圏・中間圏を伝搬し、砕波して、大気循環に大きな影響を与える大気波動について解明することを、観測とモデリングにより行った。まず、昨年までにインドネシア域およびオーストラリア北西部で行ったラジオゾンデを中心とするキャンペーン観測と、さらにインドネシア域を中心に長期観測を行っている流星レーダー・中波レーダー・大気光イメージャのデータを整理してデータベース化し、重力波の振る舞いとくに赤道域での活発かつ積雲対流活動に強く左右された活動を明らかにした。また、昨年までに開発した数値モデル(3次元領域モデル)を高分解能に改良して、赤道域の観測データおよび客観解析データを同化したモデリングを行って、大気波動の振る舞い、とくにこれまで未解明であった中間圏界面領域での重力波の砕波と不安定構造の詳細を明らかにした。さらに、これまでに蓄積された観測データとモデル結果を考察し、積雲対流と大気波動の長期的な変動過程について知見を得た。とくに、中間圏・下部熱圏での大気潮汐波や重力波の季節内振動的振る舞いが衛星観測データ等から得られる積雲対流活動と密接に関連して変動する過程を詳細に明らかにした。以上から、積雲対流と大気波動の相互作用系について、とくに中低緯度の小スケールの重力波に関して励起伝搬砕波過程の解明に著しい成果が得られた。さらに、今後モデルを広域化精密化するとともに、新たな衛星観測などの新規情報も取り込むように発展させることで大気波動の下層・中層大気内での全地球的な大気波動のインパクトの研究に発展できると期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sherwood, S.C., T Horinouchi, H.Zeleznik: "Convective impact on temperatures observed near the tropopause"Journal of the Atmospheric Sciences. (印刷中). (2003)
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[Publications] Fujiwara.M., M.K.Yamamoto, H.Hashiguchi, T.Horinouchi, S.Fukao: "Turbulence at the Tropopause due to Breaking Kelvin Waves Observed by the Equatorial Atmosphere Radar"Geophysical Research Letters. 30(4). 1171,doi:10.1029/2002GL016278 (2003)