2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12440203
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
町口 孝久 埼玉大学, 理学部, 教授 (00008864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山辺 信一 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (00109117)
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Keywords | ケテン / オレフィン / 環化付加 / オキセタン / 分子軌道理論 |
Research Abstract |
ケテン-オレフィンの環化付加反応は有機合成に幅広く利用されているにもかかわらず,その反応機構は解明されていない。このケテン-オレフィンの環化付加反応について,各種の基質(ビニルエーテル類やシリルビニルエーテル類)を用いて真の反応の初期生成物は何かを実験的につきとめることをおこなった。昨年度までは,ケテンとエチルビニルエーテルおよびメチルイソプロペニルエーテルとの反応における初期生成物はα-メチレンオキセタン中間体であることをつきとめた。ケテン-オレフィンの環化付加反応についてNMR,IRおよびUVスペクトルの各機器分析方法を用いて,低温から高温にいたる種々の温度における詳細な反応過程のモニターをおこなった。最新の低温機器分析測定法を用いてモニターによって見い出した不安定中間体の構造を明らかにした。さらに,最新の分子軌道理論によって反応機構についての詳細な検討を行なった。以上の実験結果から,ケテンのC=O結合を通した[2+2]C=O環化付加反応によるオキセタン生成に一般性があることつまりケテン-オレフィン反応の本質は,[2+2]C=O環化付加反応であることを確立することができた。また,従来考えられてきた双性イオン中間体はα-メチレンオキセタン中間体のあとに生成することを明らかにした。現在,このα-メチレンオキセタン中間体から最終生成物であるシクロブタノンやα,β-エノン生成にいたる過程について検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Machiguchi: "Reinvestigation of Tropone-Benzyne Reation To Give Diels-Alder Type Adduct"Proc.ISNA. 10. 251 (2001)
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[Publications] S.Yamabe: "A Jahn-Teller Geometric Distortion Effect on the Woodward-Hoffman Rule in Thermal Decompositions of Diazefines"J.Phys.Chem.A. 105. 4887-4893 (2001)