2001 Fiscal Year Annual Research Report
CCD型X線検出器を用いたX線小角散乱によるミクロ相分離の動的構造研究
Project/Area Number |
12450004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
雨宮 慶幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70151131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上ヱ地 義徳 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10312985)
沖津 康平 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助手 (50323506)
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Keywords | X線小角散乱 / X線検出器 / シンクロトロン放射 / CCD / 動的構造 / ミクロ相分離 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ブロック共重合体に対し振動せん断歪みをかけたときのミクロ相分離の配向挙動のメカニズムを、シンクロトロン放射X線とCCD型X線検出器を用いた時間分割X線小角散乱法により解明することである。具体的には、1)サブ秒の時間分解能で時間分割測定が可能な高感度CCD型2次元X線検出器を開発する。2)せん断歪みをかけながら、X線を異なる3方向から試料に入射できるせん断装置を製作する。3)上記を用いて、ポリスチレン・ポリイソプレンのブロック共重合体のラメラ配列過程におけるナノスケール構造の時間的な変化をX線小角散乱法で実時間測定する。4)ラメラ構造以外に、立方配列、ヘキサゴナル配列を形成するブロック共重合体についても上記で確立した方法論を用いて測定を行う。5)上記で得られた結果を解析し、せん断歪み下でのナノスケール構造形成のメカニズムを明らかにする。 本年度は、X線を異なる3方向から試料に入射できるせん断装置を製作した。これを昨年度に製作した科学計測用の可視光冷却CCDの前段にベリリウム窓着きX線イメージインテンッシファイヤーと光学レンズを組み合わせた高感度な2次元X線検出器と組み合わせて、ポリスチレン・ポリイソプレンのブロック共重合体のラメラ配列過程における小角散乱像の時間的な変化を実時間測定した。試料の温度とせん断周波数をパラメーターとして時間分割測定を行った。parallel配向とperpendicular配向およびtransverse配向がせん断過程でどのように形成されるかを観察した。parallel配向とperpendicular配向が温度とせん断周波にどのように依存するかの知見を得ることができた。また、せん断させながら温度を変化させるか、温度を変えてからせん断を加えるかで、配向の挙動が明らかに異なっていた。実験結果の詳細は現在解析中である。 本研究で製作した計測システムは、様々な合成高分子、およびソフトマテリアルのせん断下での配向過程を観測するのに応用することができる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Imai, et al.: "Fluctuation of lamellar structure prior to a lamellar->gyroid transition in a nonionic surfactant system"Physical Review E. 62, 5. 6865-6874 (2000)
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[Publications] K. Sato, et al.: "X-ray magnetic circular dichroism imaging with hard X-rays"J. Synchrotron Rad.. 8. 1021-1026 (2001)
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[Publications] K. Ohwada, et al.: ""Devil's staircase"-type phase transition in NaV2O5 under high pressure"Physical Review Letters. 87,8. 8640-2-1-8640-2-4 (2001)
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[Publications] K.Okitsu, et al.: "X-ray four-quadrant diamond phase-retarder system to compensate for off-axis and chromatic aberrations"Acta Cryst.. A58. 146-154 (2002)
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[Publications] K.Sato, et al.: "Imaging based on hard X-ray magnetic linear dichroism by means of polarization switching"Physical Review B. (In press). (2002)