2001 Fiscal Year Annual Research Report
画像処理を用いたきさげ仕上げ面の性状評価に関する研究
Project/Area Number |
12450071
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
堤 博貴 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 助手 (30300544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 輝幸 協和工業(株), 社長(研究職)
苅谷 清 東京精密(株), 表面粗さ測定器研究開発員(研究職)
吉村 靖夫 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (20042682)
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Keywords | きさげ / 画像処理 / 熟練作業 / 表面性状 |
Research Abstract |
きさげ加工は高精度な平面度が要求される工作機械の案内面の製作には不可欠であるが,高度な熟練技術を必要する手作業で,近年熟練作業者が減少の傾向にある.そのため作業の自動化が試みられてきたが,それに際してきさげ面の定量的な性状評価法の確立が求められている. そこで,本研究ではCCDカメラから取得した画像情報に画像処理を用いて表面凹凸の解析を行う.それにより,きさげ面の表面凹凸形状,面精度評価手法の確立を目的とする. まず,きさげ仕上げ面観察のための実験システムを構築した.本システムは,CCDカメラ,画像処理用イメージキャプチャーボード,照明用ラインガイドからなり,きさげの凹凸分布を画像濃度分布として調べることができる.評価試料としては300×300mmのきさげ仕上げ面で,細仕上げ,中仕上げ,粕仕上げなど表面性状を異なる4つの精度のきさげ面を対象とし,以下の3つの観点から評価した.(1)グラフイックによる視覚的評価,(2)機能性による評価,(3)幾何形状による評価を行った.(1)としてはとして3DCGソフトウェアを用いて評価面を3次元グラフィック表示し,定性的に評価した.(2)としては表面粗さ測定による負荷曲線を求めた.負荷曲線とは表面凹凸を基準面からある高さで切ったときの断面積の総和と高さの関係を示した曲線である.(3)としてきさげ面を構成する突起が空間上にどのように配置されているのかを見た.具体的には最近接8点法を用いて局部頂上を算出し,その分布がどのようになっているのか比較した. また,きさげ仕上げ面の評価をトライボロジ的観点からも行うため,摺動摩擦試験装置の開発を行った.本装置はテーブル、スライダ,モータからなり,きさげ面の摺動摩擦力を0.02Nの精度で測定することが可能である3つの異なる精度のきさげ仕上げ面を使った実験では個々の表面性状の違いを明確にすることが分かった.
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[Publications] 堤 博貴, 清遠陽介, 久曽神煌, 吉村靖夫, 中村輝幸: "きさげ作業自動化のための加工システムの開発"東京工業高等専門学校 研究論文集. 33(2)号. 35-39 (2002)
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[Publications] 堤 博貴, 清遠陽介, 久曽神煌, 吉村靖夫, 中村輝幸: "きさげ作業自動化のための当たり面画像認識システムの開発"東京工業高等専門学校 研究論文集. 33(1)号. 35-39 (2001)
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[Publications] 木崎智之, 堤 博貴, 久曽神煌, 吉村靖夫, 中村輝幸: "すべり案内面のトライボロジ的機能評価"八王子地域産学公連携フェア 研究成果発表講演会要旨集. 8-9 (2001)
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[Publications] 堤 博貴, 久曽神 煌, 中村輝幸, 吉村靖夫: "きさげ案内面のトライボロジー的機能評価(第1報)"2000年度 精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. (2001)
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[Publications] 堤 博貴, 久曽神 煌, 吉村靖夫, 中村輝幸: "当たり面認識装置を含む自動きさげ盤の開発"第44回自動制御連合講演会. 100-101 (2001)