2001 Fiscal Year Annual Research Report
動的生体物性を用いる細胞の環境ストレス検知システムの開発―細胞病変診断への応用
Project/Area Number |
12450093
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小沢田 正 山形大学, 工学部, 助教授 (10143083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 良明 山形大学, 医学部, 助手
久保田 洋子 山形大学, 医学部, 助教授 (60125763)
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Keywords | マイクロセンサー / 細胞 / ストレス / 動的生体物性 / 環境ホルモン / 振動 / 病変診断 / 軟骨組織 |
Research Abstract |
本年度は,第一に細胞及び微小生体組織の小ささとやわらかさに対応できるシンプルかつ小型の無侵襲型センサーを開発した.第二に顕微鏡下でそれらの細胞,生体組織の固定・移動等の操作が可能な実験装置のシステムを構築した.このセンサーシステムを用いた環境生物学への応用として,メダカの卵細胞のグルホシネートに対するストレス反応をやわらかさの変化として検出し,その影響を調査した.第三に,再生医工学への応用として,骨膜片を付加させたウサギの再生軟骨と,従来の再生軟骨との硬さの違いを培養期間によって比較して,移植性評価法としての有用性を検証した.本研究の結果を要約すると以下のようになる. 1.グルホシネートに対するメダカ卵細胞の以下のストレス反応を検知できた. a.100ppmで培養した場合,本来卵膜の軟化に転じるべき時期になっても硬いままであることが分かった.さらに孵化率が低下することが分かった. b.10ppmで培養した場合,純水培養時の硬さまで硬化することなく,純粋よりも早く軟化に転じていることが分かった.また,やはり孵化率の低下が見られた.これはいわゆる低容量効果と考えられる. 2.一般に骨膜片が付加されない再生軟骨は骨膜片を付加された再生軟骨よりも硬いことが分かった.また,移植後の実用に耐える安定した硬さの再生軟骨は,少なくとも12週間の培養期間を必要とすることが分かった.
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[Publications] T.Kosawada, H.Satoh, T.Yamashita: "Piezo Micro Probe Sensor System to Detect Environmental Stresses Induced in Living Cell"Proc.Joint Symposium on Bio-Sensing and Bio-Imaging. 24-24 (2001)
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[Publications] 小野寺 弘貴, 小沢田 正: "細胞内小胞膜シェルの大変形解析"Dynamics & Design Conference 2001. CD-ROMアブスト集. 67-67 (2001)
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[Publications] T.Kosawada, K.Sanada, T.Takano: "Large Deformation Mechanics of Plasma Membrane Chained Vesicles in Cells"JSME International Journal. 44-4. 928-936 (2001)
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[Publications] 小沢田 正, 黒田 賢一郎, 遠藤 正史: "バイオプシー微小生体軟組織片の動的力学物性値評価法の開発"ジョイント・シンポジウム2001 スポーツ工学シンポジウム:ヒューマン・ダイナミクス論文集. No.01-22. 165-169 (2001)
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[Publications] 小沢田 正, 佐藤英明, 山下知成: "卵細胞の環境ストレス検知システムの開発"第13回バイオエンジニアリング講演会論文集. No.00-35. 286-287 (2001)
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[Publications] 小沢田 正, 真田 宏一, 高橋 友和, 高野 哲夫: "細胞内膜動輸送機構のメカニクスとシミュレーション"第13回バイオエンジニアリング講演会論文集. No.00-35. 178-179 (2001)