2000 Fiscal Year Annual Research Report
分布型洪水流出予測システムの利用を前提とした治水計画手法の新たな展開
Project/Area Number |
12450199
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寶 馨 京都大学, 防災研究所, 教授 (80144327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 温 京都大学, 工学研究科, 助手 (30293963)
立川 康人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40227088)
中北 英一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70183506)
中山 大地 京都大学, 防災研究所, 非常勤研究員
牛山 素行 京都大学, 防災研究所, 助手 (80324705)
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Keywords | 治水計画 / 分布型流出モデル / 計画降雨 / 降雨場モデル / レーダー雨量 / 確率降雨 / 洪水予測 / 河川計画 |
Research Abstract |
本研究の目的は、流水制御の効果を用に考慮した分布型流出予測システムを構成し、それと確率的な降雨場の発生システムとを組み合わせて新たな洪水防御計画の方法論を検討することである。そのための基本的な検討として、桂川流域を対象とした分布型流出予測システムを構成した。また、淀川流域を対象とする深山レーダー雨量計の雨量データを用いて降雨分布の地形依存性について検討した。一方、200年9月に発生した東海豪雨時における浸水位の再現シミュレーションを実施し、都市域における治水対策について考察した。以下に今年度実施したこれらの研究の概要を列挙する。 1.淀川水系における桂川流域を対象として、分布型流出予測モデルを構成した。このモデルは、空間分解能50mの地形情報をもとにした分布型の洪水流出モデルであり、様々な水文量の時間空間分布を考慮することができる。このモデルを用いて、レーダー雨量計の空間分解能が洪水流出シミュレーション結果に及ぼす効果を検討した。 2.深山レーダー雨量データを用いて、山岳域における降雨分布の地形依存性および降雨の時間積分過程の統計的性質について解明を試みた。その結果、降雨分布の地形依存性を特徴付ける標高依存直線の成立条件が明らかになるとともに、標高依存直線を指標として、山岳域における降雨分布の積分過程が三段階構造としてモデル化可能であることを示した。 3.2000年9月に名古屋市を中心として発生した東海豪雨災害は、想定以上の降雨が発生した場合の都市域における治水対策に対して新たな問題点を投げかけた。ここでは、名古屋市天白区野並地区で発生した浸水被害を対象として、浸水状況を再現してその原因や対策について考察を行い、計画規模を越えるような豪雨に対処するためには、排水のネットワーク構造を考えた対策を考えねばならないことを示した。
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Research Products
(1 results)