2000 Fiscal Year Annual Research Report
建築付帯物から発生する空力騒音の数値予測に関する研究
Project/Area Number |
12450231
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平手 小太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70165182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 哲哉 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (80282995)
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Keywords | 屋外建築付帯物 / 強風 / 空力騒音 / 数値解析 / Lighthill-Curle理論 / LES / Smagorinskyモデル / 流入風向 |
Research Abstract |
ベランダ手摺子など屋外建築付帯物から強風時に発生する空力騒音の数値予測について,従来は実スケールのおよそ1/10に相当する,レイノルズ数1000における解析を行ってきたのに対し,今年度は解析手法の改善により実スケールの解析を図った.解析手法はLighthill-Curleの理論を基にして,非圧縮性流体解析手法により音源近傍を解析し,得られた物体表面上の流体音源からの放射音場をCurleの式により計算する手法とした.流体解析には標準SmagorinskyモデルによるLESを使用した.解析対象は辺長21mmの角柱が13本列形状のベランダ手摺子とし,放射音のピーク周波数において既往の実験研究とほぼ一致する結果を得た.また手摺子の全体を解析するのは計算機資源上困難であるため,一本の手摺子の一部のみを解析し,求められた音源の各周波数における手摺子スパン方向の相関長から手摺子全体からの放射音圧の周波数成分を推定する式を導出して適用した.解析レイノルズ数は風速12m/sに相当する16000とし,風向は手摺子列に垂直な方向を正面として0゜,15゜,30゜の3ケースを解析した.算出された放射音の周波数分析結果から,正面からの風向に対しては,カルマン周波数に対応するピーク周波数90Hzは既往の実験結果とほぼ対応が見られた.また流入風向を15°,30°と傾けるのに伴って音源の相関長さが減少し,ピーク周波数およびピークレベルに若干の低下が見られた.ただし実験結果において8kHz付近に見られたピークは再現されず,解析手法の改善が今後の課題である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 大嶋拓也,今野雅,佐久間哲哉,平手小太郎: "建築付帯物から発生する空力騒音の数値予測に関する基礎的研究"日本建築学会計画系論文集. 532. 7-13 (2000)
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[Publications] T.Oshima,M.Imano,T.Sakuma and K.Hirate: "Numerical Prediction of Aeroacoustic Noise Radiated from Balusters of Buildings with Large Eddy Simulation"Proceedings of inter noise 2000. Volume4. 2359-2362 (2000)
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[Publications] 大嶋拓也,今野雅,佐久間哲哉,平手小太郎: "建築付帯物から発生する空力騒音の数値予測-乱流モデルを導入した建物手摺子周り流れの解析-"日本建築学会大会学術講演梗概集. D-1. 155-156 (2000)