2000 Fiscal Year Annual Research Report
酸性沈着による生態系影響予測モデルと酸性沈着削減目標値の設定
Project/Area Number |
12460031
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岡崎 正規 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 教授 (00092479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 健太郎 パシフィックコンサルタンツ, 環境部, 研究員
馬場 光久 北里大学, 獣医畜産学部, 専任講師 (70286368)
加藤 誠 東京農工大学, 農学部, 教授 (50015096)
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Keywords | 酸性沈着 / 硫酸イオン / アンモニウムイオン / 硝酸イオン / 塩化物イオン / 海塩粒子 / 流域 / 影響予測モデル |
Research Abstract |
<酸性沈着の生態系への影響> 東京都八王子市の針葉樹林の小流域にインプットされる酸性物質は、アンモニウムイオン0.49、硝酸イオン0.64、塩化物イオン1.00、硫酸イオン0.38kmolc ha-1 yr-1であった。一方、青森県十和田市の針葉樹林の小流域にインプットされる酸性沈着物質は、アンモニウムイオン0.63、硝酸イオン0.26、塩化物イオン1.62、硫酸イオン0.87 kmolc ha-1 yr-1であった。八王子は、東京の中心部より35kmの位置にあり、十和田よりも硝酸イオン濃度が高く、活発な人間活動による窒素酸化物の排出による影響が強いと判断された。一方、十和田は、アンモニウムイオン、塩化物イオンおよび硫酸イオン濃度が高く、年間を通じて畜産業に由来するアンモニウムイオンおよび海洋からの影響を強く受けている塩化物イオン濃度が高いといえる。十和田における高い硫酸イオン濃度は、化石燃料の燃焼と季節風による海塩粒子の影響を示唆している。 アロフェン、イモゴライトを主体とする八王子および十和田の黒ボク土は、大気由来のプロトンおよび硝化過程で生成するプロトンを消費しており、窒素飽和の傾向にあるが、明確な酸性化を示してはいない。 <生態系影響予測モデルの構築> 八王子および十和田の小流域における酸性沈着の生態系影響予測モデルを作製しつつあり、一定の成果を上げているが、さらに正確な予測が可能となるモデルの構築を進める。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Baba,M.and Okazaki,M.: "Changes in aluminum pools of Andisols due to soil acidification"Soil Science and plant Nutrition. 46・4. 797-805 (2000)
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[Publications] 高橋大輔,岡崎正規: "多摩丘陵における酸性沈着の土壌への影響-土壌溶液中のイオンバランス-"環境情報科学. 14. 279-284 (2000)
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[Publications] 俣野和彦,馬場光久,村上大亮,杉浦俊弘,小林裕志: "スギ林土壌における酸の生成および緩衝作用の定量的把握"日本土壌肥料学雑誌. 71・6. 794-800 (2000)