2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12460040
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
依田 幸司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20143406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 陽一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90282699)
足立 博之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00211699)
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Keywords | 酵母 / 小胞輸送 / ゴルジ体 / 膜タンパク質 / 局在化機構 / GDP-mannoseトランスポーター / Sed5タンパク質 / Sly1タンパク質 |
Research Abstract |
酵母のゴルジ体に局在している、ポリトピック型膜蛋白質と細胞質に大部分が露出したII型膜蛋白質について、詳細な解析を行って学術的に興味深い新知見を得た。 ポリトピック型膜蛋白質のGDP-mannoseトランスポーターVig4については、C末端に存在する親水性領域を欠失することにより、ゴルジ体への局在性が不完全になり、一部が輸送経路の下流にある液胞まで運ばれてしまうことを見出した。この親水性領域が、ゴルジ体early領域への局在に大きく関与していると予想される。そこで、late領域からearly領域へ蛋白質を逆行輸送するためのコート蛋白質であるコートマーの成分COPδとVig4との相互作用を免疫沈降で調べたところ、野生型Vig4では結合が起こるのに対して、C末端欠失体では結合が認められなかった。また、順行輸送の温度感受性変異株を用いて、野生型Vig4が小胞体-ゴルジ体間をダイナミックに移動していることを示唆する結果も得た。 t-SNAREとして機能するII型膜蛋白質Sed5については、この蛋白質が局在する小胞を生化学的に詳細に調べるために、免疫吸着法を開発して酵母細胞破砕液から単離した。得られた小胞を界面活性剤で可溶化し、溶け出してくる蛋白質の分離同定を行った。N末端のアミノ酸配列の結果から既知の蛋白質については、いずれも小胞体とゴルジ体early領域への局在が証明され或いは予想されていたものであった。本研究で得られた小胞の構成蛋白質の中に、これまで機能や局在が明らかになっていなかったopen reading frameであるYm1067c蛋白質を発見した。これについて詳細な検討を行った結果、Ym1067cは二つの膜貫通領域をもち、実際にアルカリ不溶性・界面活性剤可溶性であり、相同性のある膜蛋白質Ya1042wとヘテロオリゴマーを形成しており、その局在部位は定常的には小胞体膜上であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Yoda,T.Kawada,C.Kaibara,A.Fujie,M.Abe,H.Hashimoto,J.Shimizu,N.Tomishige,Y.Noda,and M.Yamasaki: "Defect in cell wall integrity of the yeast Saccharomyces cerevisiae caused by a muntation of the GDP-mannose pyrophosphorylase gene VIG9"Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry. 64(9). 1937-1941 (2000)
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[Publications] K.Yoda and Y.Noda: "Vesicular transport and the Golgi apparatus in yeast"Journal of Bioscience and Bioengineering. 91(1). 1-11 (2001)