2002 Fiscal Year Annual Research Report
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12460040
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
依田 幸司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20143406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 陽一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90282699)
足立 博之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00211699)
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Keywords | 酵母 / 小胞輸送 / ゴルジ体 / 膜タンパク質 / 局在化機構 / Sly1タンパク質 / Sed5タンパク質 / Tlg2タンパク質 |
Research Abstract |
ゴルジ体は、複数の領域から成り、輸送されるタンパク質は各領域で異なる修飾やプロセシングを受ける。従って、各領域の組成と成立ちは、ゴルジ体の働きを理解するのにきわめて重要である。 出芽酵母ゴルジ体の初期領域にあるSed5タンパク質は、小胞体で作られた輸送小胞がゴルジ体に融合してタンパク質を受け渡すのに関わる重要な膜タンパク質であり、そのN末端にSly1タンパク質が結合することを先に明らかにした。この結合の意味はこれまで不明であったが、in vitroの膜融合系によって調べたところ、Sly1タンパク質が結合することによって、ゴルジ体上のSed5タンパク質と輸送小胞上のBet1タンパク質との間の複合体形成が促進されることを見出した。これは、SM(Sec1-Mun18)ファミリータンパク質の機能的役割を明らかにした初めての研究成果である。更に、温度感受性のsec18変異とsly1変異との間に合成致死性を発見し、sly1変異株におけるSed5-Bet1複合体の安定性等が認められることから、Sly1タンパク質の機能として、上記複合体の形成とともにその解離をも促進している可能性を示した。 昨年度、Sed5及びTlg2タンパク質を免疫沈降することで分離した、ゴルジ体の初期並びに後期領域を構成する膜タンパク質についてさらに検討を進め、前者から38、後者から37のタンパク質を同定することに成功した。糖転移酵素、小胞のコートタンパク質、ソーティングに関わるとされるタンパク質に分類されるものは、それぞれの領域に特異的であったが、多数存在する低分子量Gタンパク質は、両画分にみいだされて特異的ではなかった。初期領域特異的なSvp26、後期領域に特異的なTvp38、Tvp23、Tvp18、Tvp15、また両領域にみられるGvp36は、これまでに解析されていない新規に発見されたタンパク質である。その局在を、タグ標識したタンパク質で確認できた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Kosoda, Y.Noda, H.Adachi, K.Yoda: "Binding of Sly1 to Sed5 enhances formation of the yeast early Golgi SNARE complex"Journal of Cell Science. 115巻・18号. 3683-3961 (2002)
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[Publications] K.Imai, T.Kijima, Y.Noda, K.Sutoh, K.Yoda, H.Adachi: "A Rho GDP-dissociation inhibitors is involved in cytokinesis of Dictyostelium"Biochemical and Biophysical Research Communications. 296巻. 305-312 (2002)
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[Publications] H.Hashimoto, M.Abe, A.Hirata, Y.Noda, H.Adachi, K.Yoda: "Progression of the stacked Golgi compartments in the yeast Saccharomyces cerevisiae by overproduction of GDP-mannose transporter"Yeast. 19巻・16号. 1413-1424 (2002)
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[Publications] Y.Kosodo, Y.Noda, H.Adachi, K.Yoda: "Cooperation of Sly1/SM-family protein and Sec18/NSF of Saccharomyces cerevisiae in cis-SNARE complex disassembly"Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry. 67巻・2号. 448-450 (2003)