2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12460095
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長谷部 正 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10125635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 保 岩手大学, 農学部, 助教授 (20177736)
永木 正和 筑波大学, 農林学系, 教授 (90003144)
石田 正昭 三重大学, 生物資源学部, 教授 (80144228)
澤田 学 帯広畜産大学, 畜産管理学科, 助教授 (60142791)
澤田 裕 北星学園大学, 経済学部, 教授 (10118119)
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Keywords | 食ベクトル / 需要分析 / POSデータ / 安全性 / 外部化 / 輸入食料需要 / 体系推定 / 宣伝効果 |
Research Abstract |
(I)食料需要の体系分析を担ってきた研究代表者と研究分担者等のコア・メンバーと個別テーマごとに食料需要の研究を行ってきた研究者とが互いに研究交流を図り、かつ、世代を超えた研究協力ネットワークを形成して本研究を遂行した。本研究の目的は計量的な食料需要分析のフロンティアとその意義を明らかにすることである。 (II)従来研究レビューにおいて残された研究課題とされてきた(a)食の安全性、(b)POSなどのパネル・データの積極的活用、(c)健康指標の影響、(d)「日本型食生活」の定量分析、などの問題を解明・解決するよう努めた。本研究において実施した具体的な研究は以下の通りである。 (1)食料消費に関わる個別的な問題の検討を分析した。 (a)品質問題(健康・安全性他) (b)構造変化(外部化・輸入代替他) (c)パネル・データを用いた分析および新しい手法の適用 (2)需要体系分析をもとに現代消費生活における食料消費の位置づけを行った。 (3)将来の社会システムと食料消費のあり方およびその意義を検討した。 (III)今後のフード・システムの展開との関連ではマーケティングの視点が重要であり、本研究の成果は特に需要創造等に対して戦略的にも役立ちうる基礎資料を提供するという意義がある。 (IV)残された課題 研究組織をあげて、(II)で課題とされた問題に取り組んだが、(d)「日本型食生活」の定量分析ヘアプローチする方法は解明されず、今後の課題として残された。ただ、この点については分担者の一人である鈴木宣弘氏の新たな利点を提供するエッセーがあることを付言しておきたい。
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Research Products
(20 results)
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[Publications] 上路利雄: "農産物および加工食品の輸入増かがわが国産業に及ぼす影響のシュミレーション分析"食品経済研究. 30号. 3-15 (2002)
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[Publications] 上路利雄: "ヒット食品とその要因"食品経済研究. 29号. 29-48 (2001)
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[Publications] 上路利雄: "需要構造からみた果実消費の展望-食糧自然率向上の視点から-"果実日本. 55巻7号. 30-32 (2000)
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[Publications] 澤田学, 岩本博幸, 山本康貴: "消費者のHACCP及び環境対策認証表示牛乳に対する価値評価"樋口昭則, 淡路和則, 永木正和編著「農薬の与件変化と対応」. 第(特)部第3章. (2002)
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[Publications] 澤田学: "生鮮肉の数量・品質需要の構造変化"農業開発研究会編「市場・技術・精度と農業発見」. 第1部第5章. (2002)
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[Publications] 川村保: "農協のコメ事業と経営戦略"生源寺真一編著「地殻変動下のコメ政策」. 135-152 (2000)
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[Publications] 松田敏信: "肉食・外食・中食需要の構造変化に関する計量経済分析"農林業問題研究. 36巻・4号. 261-264 (2001)
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[Publications] 松田敏信: "主食の消費構造変化に関する需要体系分析"農業経営研究. 39巻・2号. 89-92 (2001)
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[Publications] 河上康洋, 永木正和, 納口るり子: "地域活性化施策における地ビール事業の位置づけと課題"農業経営研究. 39巻・1号. 87-90 (2001)
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[Publications] 永木正和: "グローバル・スタンダードと地域農業戦略"農業と経済(臨時増刊号). Vol.67 No.2. 31-40 (2001)
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[Publications] 永木正和: "新補給金制度と酪農経営-懸念事項とその打開策を探る-"酪農ジャーナル. 54巻・3号. 12-16 (2001)
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[Publications] 永木正和: "新取引き方式と今後の酪農経営"酪総研. No.265. 2-3 (2001)
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[Publications] 茂野隆一: "食品産業にとっての国産農産物の魅力は何か-納豆を事例にして-"農業と経済. 66巻・9号. 24-28 (2000)
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[Publications] Kinoshita, J., N.Suzuki, T.Kawamura, Y.Watanabe, H.M.Kaiser: "Estimating Own and Cross Brand Price Elasticities, and Price-Cost Margin Ratios using Store-Level Daily Scanner Data"Agribusiness : An International Journal. 17・4. 515-525 (2001)
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[Publications] Kinoshita, J., N.Suzuki, H.M.Kaiser: "Explaining Pricing Conduct in a Product-Differentiated Oligopolistic Market : An Empirical Application of a Price Conjectural Variations Model"Agribusiness : An International Journal. (2002)
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[Publications] 丸山敦士, 松田友義: "食品安全性に関する競り実験-サルモネラフリー卵への支払い意志額の推計-"2001年度日本農業経済学会論文集. 161-164 (2001)
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[Publications] 松田友義: "食品安全性の確保と消費者の安心"農林統計調査. 51巻10号. 11-15 (2001)
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[Publications] 松田友義: "セーフティチェーンとトレーサビリティシステム-食品安全性と消費者の安心-"フレッシュフードシステム. 31巻・1号. 39-44 (2001)
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[Publications] 松田友義: "スーパーマーケットにおけるHACCP-オーストラリア:ウールワースの例"フレッシュフードシステム. 30巻・1号. 14-22 (2000)
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[Publications] 伊藤房雄, 金山紀久, 廣政幸生, 長谷部正 編著: "戦略的情報活用による農産物のマーケティング"農林統計協会. 248 (2001)