2001 Fiscal Year Annual Research Report
農畜産物「贈答品」市場の展開構造に関する実証的研究
Project/Area Number |
12460100
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
中原 准一 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (60048121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野見山 敏雄 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20242240)
小野 雅之 山形大学, 農学部, 教授 (90224279)
飯澤 理一郎 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60184339)
坂爪 浩史 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80258665)
渡辺 克司 鹿児島国際大学, 経済学部, 助教授 (30258678)
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Keywords | 「贈答品」市場 / 「市場外」流通 / 価格形成構造 / 物流構造 / インターネット販売 |
Research Abstract |
本研究の課題は近年、急速に拡大し、農畜産物市場において一定の量的・価額的規模を持つに至った農畜産物の「贈答品市場」を対象に、一つにその量的・価額的規模を推計し、二つに、贈答向け農畜産物の販売に積極的に取り組んでいるJA・農家・百貨店・量販店・生協・郵便局などを対象に実態調査を行い、「贈答品」農畜産物の価格形成構造、物流構造、経営上の位置づけ、今後の見通しなどを事例的に明らかにすること、そして三つに以上を総括し、農畜産物「贈答品市場」の展開構造と今後の発展可能性、及びそのわが国農業・農畜産物市場への影響について考察することである。 本年度は昨年度に引き続き、米及び青果物・一部畜産物を対象に、各種統計資料から「贈答品」市場の量的・価額的規模の推計の精緻化に努めるとともに、「贈答品」に取り組んでいる農家、JA、量販店・生協などへの実態調査を行った。また、全農・全農食品から「贈答品」市場とリンクする国産農畜産物の「安心システム」の実態に関する聞き取り調査を行った。各種統計の制約から明確な数値は導き出せないものの、各種実態調査の結果を加味して考えると、「贈答品」市場はここのところ、大きく拡大しているものと推測された。特に、近年、JAや農家レベルでの取り組みは、その先端にインターネットを駆使した販売をも含み、大きく拡大しているものと推察される。しかし、全般的な農畜産物の過剰状況の下に、必ずしも成功に至らなかった事例も散見され、事の難しさを示唆するとともに、農畜産物価格の低落の影響を受け、価格的優位性も若干後退してきているようにも推察された。
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