「辺境」農業・農村の経済的社会的地域固有性とその新たな構築方策に関する研究

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12460102
• Research Institution: Tokyo University of Agriculture
• Principal Investigator: 酒井 惇一 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (00005604)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 大西 緝 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70274834) ; 黒河 功 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90125310) ; 長澤 真史 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (20217988) ; 廣瀬 牧人 沖縄国際大学, 商経学部, 助教授 (20279417) ; 仲地 宗俊 琉球大学, 農学部, 助教授 (70180312)
• Keywords: 辺 境 / 北海道 / 沖 縄 / 農 業 / 農 村 / 地域社会 / 地域経済

Research Abstract

本年は、前年の研究実績(調査研究の分析視点および調査研究方法の検討、研究分担者による研究課題報告会、北海道網走市と沖縄県宜野座村における予備調査)を踏まえたうえで、北海道網走市と沖縄県石垣市において本調査(農業経営調査)を行った。
北海道網走市の本調査では、ビート、澱粉原料用馬鈴薯、小麦などの原料農産物を中心とした生産構造となっている斜網畑作地帯のなかでも、営農集団方式による機械利用組合に加入して集団的な営農を行うという経営的特徴を有する農家(3集落・22戸)の経営調査を行い、「農業経営と技術」、「流通とインフラ」、「地域社会構造と経済」、「政策制度」の4つのテーマに関連させて、それぞれ研究分担者が、調査結果について分析を行った。
沖縄県石垣市の本調査では、沖縄県でも南端に位置し、サトウキビといった原料農産物、および和牛や果樹・野菜を中心とした生産構造のなかで、個別経営の展開を中心とした農家(2集落・24戸)の経営調査を行い、「農業経営と技術」、「流通とインフラ」、「地域社会構造と経済」、「政策制度」の4つのテーマに関連させて、それぞれ研究分担者が、調査結果について分析を行った。
本年の本調査において得られた成果としては、両地域における農業の辺境的条件の克服と独自の発展方向についての課題を提起し、「農業経営と技術」、「流通とインフラ」、「地域社会構造と経済」、「政策制度」の4つの視点から整理して、両地域の農業・農村社会の特殊性を踏まえた今後の構築方策について取りまとめを行った。

Research Products

• [Publications] 酒井惇一: "農業生産力の指標と規定要因に関するメモ的考察(その2)"東京農業大学生物産業学部網走寒冷地農場年報『トウフツ』. 第3号. 39-59 (2001)
• [Publications] 長澤真史: "農業生産法人と営農集団の展開方向"東京農業大学生物産業学部網走寒冷地農場年報『トウフツ』. 第3号. 107-116 (2001)
• [Publications] 工藤昭彦: "農業・農村の多様性発揮を支援する政策の枠組"『農業と経済』. 第68巻第1号. 39-47 (2002)
• [Publications] 兪炳強: "沖縄における地域農業構造変化の数量的分析"沖縄国際大学産業総合研究所『産業総合研究』. 第9号. 189-210 (2001)
• [Publications] 寺本千名夫, 市川治, 志賀永一 編著: "『21世紀北海道農業の先駆け』"筑波書房. 171 (2001)
• [Publications] 廣瀬牧人, 兪炳強, 阿部秀明 編著: "『地域発展戦略へのアプローチ-地域におけるアイデンティティ・イノベーション・アメニティの創造に向けて-』"泉文堂. 217 (2001)