2000 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポーター遺伝子群の突然変異および多型と健康リスク
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12470081
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小泉 昭夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (50124574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 治 国立精神神経センター, 部長
吉永 侃夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30025663)
山田 祐一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (60283610)
和田 安彦 兵庫医科大学, 助教授 (10261653)
大浦 敏博 東北大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10176828)
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Keywords | トランスポーター / OCTN2 / 心肥大 / LPI / Hartnup / 創始者変異 / マススクリーニング / 加齢 |
Research Abstract |
生体内重要な物質の輸送にはトランスポーターが関与している。我々は我が国においてヘテロ保因者の多いカルニチンのトランスポーターであるOCTN2、塩基性アミノ酸および他の有機カチオンの輸送体であるy+/LAT1、中性アミノ酸のトランスポーターの3つの変異について検討した。 1.OCTN2の変異:今回日本全国の病院から送られて来た3症例の薬剤起因性の低カルニチン血症を示す症例について検討した。これらの3症例とも小児期に抗痙攣薬の服用で神経障害を発症しており低カルニチン血症を示していた。しかしOCTN2の分析により変異は認められなかった。次いでヘテロ保因者が高齢期に心肥大のリスクが高まることを疫学的観察していたが、モデル動物を用い加齢の影響を検討したところ、ヘテロマウスではヒト同様心筋症を認めた。 2.y+/LAT1ヘテロ保因者:岩手県東北部においてヘテロ保因者のマススクリーニングを行いR410Xの変異の頻度を求めたところ、約1%と高頻度にヘテロ保因者を見いだした。ヘテロ保因者において加齢との相互作用について現在倫理審査を待って行う予定にしている。 3.中性アミノ酸トランスポーター:連鎖解析の結果、5番染色体に責任遺伝子を見いだした。現在候補遺伝子の配列決定を行っている。 4.健康政策としてマススクリーニングの評価:y+/LAT1ヘテロ保因者の創始者変異が高頻度に認められたため、単一の遺伝子変異の検出でよく費用は約80円と廉価である。岩手県東北部では4万人に1名の割合でLPIを持った新生児が生まれると考えられるため、約320万円で1名の患者を早期発見でき極めて効率のよい方法である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kubota T, 他: "Probable involvement of a garm-line mutation of an unkhown mismatch repair gene in a Japanese Muir-Torre sundrome phenotype."J.Dermatol.Sci.. 23. 117-125 (2000)
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[Publications] Habuchi T, 他: "Association of Vitamin F recptor gene polymorphisms with prostata cancer and benign prostatic hyperplasia in a Japanese population."Cancer Res.. 60. 305-308 (2000)
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[Publications] Noguchi A, 他: "SLC7A7 gemonic structutre and novel variants in three Japanese lysinuric protein intolerance families."Human Mutation. 15. 367-372 (2000)
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[Publications] Kayo T, 他: "Identification of two chromosomal Loci determining glucose intolerance in a C57BL/6 mouse strain. "Comparative Medicine . 50. 296-302 (2000)
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[Publications] Koizumi A, 他: "Excessive clustering of lysinuric protein intolerance (LPI) patients in a nothermn part of Japan due to a founder effect."Human Mutation. 16. 270-271 (2000)
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[Publications] Shioya T, 他: "Hereditary hemorrhagic telangiectasia (HHT) in Akita Prefecture, Japan"Int Med.. 39. 675-676 (2000)