2002 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息の病態におけるロイコトリエンC4合成酵素遺伝子の機能的解析
Project/Area Number |
12470137
|
Research Institution | Dokkyo University School of Medicine |
Principal Investigator |
福田 健 獨協医科大学, 医学部, 教授 (90088873)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 雅史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (00202763)
武田 昭 獨協医科大学, 医学部, 講師 (90155002)
|
Keywords | 気管支喘息 / ロイコトリエン / ロイコトリエンC4合成酵素 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
ロイコトリエンC4(LTC4)合成酵素遺伝子操作マウスの作製および解析 平成14年度にマウスLTC4合成酵素遺伝子を操作してトランスジェニックマウス(LTC-Tgマウス)を作製した。chi ken βactin promoterを利用しているため、組織非特異的に生体内でLTC4が強発現するマウスが6line得られた。そこで、このTgマウスを用いて気管支喘息モデルを作製し喘息の発症および重症化におけるLTC4の役割を解析した。OVA/Alumで腹腔感作を2回行いその後、OVAの吸入チャレンジした24時間後の気道炎症、サイトカインの産生および気道過敏性について検討した。その結果、LTC-Tgマウスでは気道内好酸球およびリンパ球の集積、Th2サイトカインの産生そして気道過敏性の亢進、すべてにおいて野生型マウスに比べて増強した。また、感作マウスの脾臓細胞にたいするOVA添加による刺激によってもTh2サイトカインの産生がLTC-Tgマウスでより強力に認められた。以上よりLTC4は気管支喘息の増悪因子であることが示唆された。本研究でLTC4がTh2サイトカィンの産生を制御することを見出した。その詳しい機序は明らかでないが、LTC4は少なくとも抗原依存的な刺激により、リンパ球からのTh2サイトカインの産生に対して促進的な作用をもつことが明らかにされた。 リンパ球におけるLTC4合成酵素遺伝子に対する転写抑制因子Bc16の機能 LTC-Tgマウスの解析より、LTC4がリンパ球機能を制御することが明らかになった。また、野生型マウスでのTh2細胞はLTC4合成酵素のmRNAがTh1細胞に比べてその発現が亢進することを認めた。さらに、LTC4合成酵素遺伝子のプロモーターにBc16の結合領域を見出し、また、Bc16ノックアウトマウスのリンパ球においてもLTC4合成酵素のmRNAの発現が野生型に比べて亢進することから、LTC4合成酵素遺伝子はBc16の標的遺伝子であることが推定された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Hirata, H., et al.: "Production of TARC and MDC by Naive T cells in Asthmatic Patients"J.Clin.Immunol.. 23. 34-44 (2003)
-
[Publications] Arima, M., et al.: "A putative silencer elememt in IL-5 gene recognized by Bcl6"J.Immunol.. 169. 829-836 (2002)
-
[Publications] Cheng G., et al.: "Anti-interleukin-9 antibody treatment inhibits airway inflammation and hyperreactivity in mouse asthma model"Am.J.Respir.Crit.Care.Med.. 166. 409-416 (2002)